教職者K

教育について考えるブログ。

【レビュー】危険なビーナス

最近こちらの本を読みました。

危険なビーナス (講談社文庫)

危険なビーナス (講談社文庫)

  • 作者:東野 圭吾
  • 発売日: 2019/08/09
  • メディア: ペーパーバック
 

書店を守るためにこれまで電子書籍化をして来なかったという東野圭吾さんなんですが、今回のコロナの件で電子書籍化すると話題です。

 

私も以前はよく読んでたんですが、最近の作品はあんまり読んでいなかったので久しぶりにこちらの文庫を読んでみました。

 

あらすじとしては、獣医師の主人公のもとに弟の妻を名乗る人物が現れて、弟が行方不明になっていることを知り、その跡を追うストーリー。

 

そこから話が展開する東野圭吾らしいミステリーになっております。

 

久しぶりに東野圭吾さんの本を読みましたが、安定の読み易さ。難しい表現とか描写とかよりも,構成そのものが流石です。

 

なんでこんなにネタが思いつくんだろと思います。

 

今回の本読んでいて思ったのが,東野圭吾さんの魅力の一つが

 

「モラルジレンマな問い」

 

 

なのかなと。

 

本作では

 

「弟が行方不明で死んでいるかもしれない場合は、弟の妻を好きになってもいいのか」

 

これが一つの問いになっていて、惚れっぽい主人公は弟の妻を好きになってしまってもいいのか悩むわけです。

 

こういう際どい問いかけをしてくるわけですよ。

 

手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

  • 作者:東野 圭吾
  • 発売日: 2006/10/06
  • メディア: 文庫
 

他にも代表作のこちらの「手紙」では交通事故で妻が死んでしまって,その拍子に娘の中身だけが妻に入れ替わってしまうというお話なんですけど。

 

「娘を抱いてもいいのか?(中身は妻だけど)」

 

ってところに主人公はめちゃくちゃ悩むわけです。

 

そして妻は妻で

 

「妻として生きるのか,娘として生きていくのか」

 

に悩むという。

 

なんでそんなエグい問いが思いつくんだろって思いますね。

 

読みながら読者側はどうしても「自分だったらどうするかな?」と考えさせられてしまうというか。

 

そして私はそういう読者のことを揺さぶる問いの立て方って道徳の授業とかにも繋がるものがあるんじゃないかなと思うんですよね。

 

だからこの時期はひたすら読書してようかなと。

 

投資王として有名なウォーレン・バフェット

 

「霧で周りが見えない時は,爪を研いで待てばいい」

 

って言ってるんですよ。

 

だから今みたいなコロナで周りが見えない時は,じっと本読んだりして爪を研いでたらいいのかなと思っております。霧が晴れた時にすぐに動けるように。

 

東野さんの本は何を読んでも面白いのであんまり読書習慣がない人にもおすすめになっております。

 

気になる方いましたら是非どうぞ。

 

本日も読んでいただき、ありがとうございました!