教職者K

教育について考えるブログ。

卒業生のメッセージから考えたこと。

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毎年卒業生からは卒業の際にメッセージカードをもらうのである。

 

私も2クラス担当していたので、今年はその子達からメッセージをもらった。

 

私へのメッセージとしては授業の感想として

 

「授業が面白かった」

 

「分かりやすかった」

 

がほぼ8割を占めていた。

 

「そうじゃろ、そうじゃろ。

 

 

がははは!」

 

と昔なら良い気になって終了だった私なのだが、今年はむしろ反省している。

 

というのも、こう言ったらなんだが、卒業生が義務教育を終える上で残していく言葉としてすごく浅いのではないかと思ったのである。(←貰ってる身でごめんなさい)

 

というのも極端な話、「分かりやすかったです」なんていう感想は授業を受けていなくても書けるテンプレートの様なものなわけで。

 

その言葉がたくさん出て来る自分の授業って実は何も考えさせられなかったんじゃないかと思ったのだ。

 

私はメッセージを通して自分の授業が「楽しいけど深くはない」ものになってしまっていることを再確認したのだった。

 

そんな中で一番嬉しかったのはある生徒の言葉である。

 

その子は、はっきりいってテストで点が取れるタイプではないのだけれど、こちらが課題を与えたらそれを考えるのが楽しいらしく、ノートに何行も自分の考えを書くタイプの子だった。

 

そして私もその子がどう考えても来るのかが楽しみだったのである。

 

その子からはこんなメッセージを貰った。

 

「私は、社会の授業を通して自分は社会について何も知らないし、よく分かっていないことが分かった。」

 

「だから少しでも分かるようになるために、これからも高校で勉強していく」

 

これが私の中で凄く嬉しかったし、言ったら少し鳥肌さえたったのである。

 

私は最近「分からない」って素晴らしいと思うのだ。

 

分からないことこそが,世の中を動かしていく原動力になっているのではないか。

 

私自身、日々本を読むのは世の中が分からないことだらけだからだ。

 

そしてそうやって「分からないから勉強しよう」という生き方は「分からないけどまぁそんなもんだよね」という人生より遥かに驚きに満ちていて楽しいと思うのである。

 

だから先ほどの生徒の感想と言うのはそんな探究の入り口に生徒を導くことが出来たのではないかと思えて嬉しかったのだ。

 

もちろん、まだまだそういう感想を抱いた生徒が少ないのが現状である。

 

自分を見つめ,今後どう改善していくかを考える休校の日々である。