「文章が書けない…」
そう悩む人は多いだろう。
そんな皆様に,先日こちらの本を読んだので紹介したい。
新聞の広告で目がとまり,気になったので買ってみた。
なぜ買ったかといえば、私が毎日何かしら書いているからである。
このブログもそうだが,学級通信など仕事上何かと書くことが多い。なので参考になればと思い,読んでみた次第である。
あらすじ
文章が書けない少年である文岡健(ふみおかけん=ぶんをかけん)が猫のマ・ダナイからサポートを受けながら,どんどんと文章が書けるようになっていくという話である。
テンプレートを決める
苦手な子はまずテンプレートを決めるべきだと本の中ではしている。
例えば本の感想を書くのだとしたら,
「読んだきっかけ」→「あらすじ」→「感想」
と最初から流れを決めてしまう。(今回の文もその流れで書いてみてます)
そうすることでそもそも構成に悩む必要が無い。
文章が書くのが苦手な生徒はたくさんいるが,このように大枠を最初に示してあげるだけでも筆の進みが全然違うと思った。
書き出しにこだわる
最初の書き出しで読者は読み続けるかどうかを判断する。だからこの書き出しにはとにかくこだわるべきだとしている。
思い返してみると,
「吾輩は猫である。名前はまだない」
「石炭をばはや積みはてつ」
など有名作品はその書き出しが語り継がれている。
書き出しこそ文章を書く上でもっとも重要であるのは間違いない。
五感をくすぐる
人間は五感をくすぐられると,共感をもって読めるのだという。
「脂の焼ける匂いがした」
「静かな夏の夜空からは鈴虫の音が聞こえて来る」
などと書かれると,主人公と同じ場所にいるような錯覚に陥る。読者を飽きさせないためには五感をくすぐることが重要なのだ。
名前は性格や役割からつける
また小説などを書く際は名前を役割からつけているそうだ。
この小説自体もそうだし,他の作品を思い返してみると,
推理ものの主人公だということが一目で分かる様になっているわけである。
みんなそんなことを考えながら構成しているのだなと改めて作家たちのネーミングがどこから来ているのかを知ることが出来た。
感想
全体的にはごく基本的な内容で,作文の書き方など,国語の授業で習うことも多い。
しかしながら,文の書けない生徒やお子さんを抱える方にもおすすめの内容となっている。
私自身,この本を読んでから小説を読むのが更に面白くなった。ここはこういう意図があるんだな、とか書き手の表現の背景にあるものを考えながら読むようになったからだ。
また本を読んで小説を書いてみたいなとも思った。本から学んだことをそういう形で表現していくのも面白そうである。
ということで,文章を書いたり読んだりする方にはおすすめの一冊である。
興味のある方がいたら、是非おすすめしたい。