教職者K

教育について考えるブログ。

島崎藤村の話。

どうも

 

ゾウにまたがりバッタをとる。 (@sunostrism) on Twitter

 

です。

 

突然ですが、みなさん、

 

 

明治時代の文豪のよさ

 

 

って分かりますかね?

 

私ははっきり言いますけど、

 

 

 

全くわからない

 

 

んですよ。

 

私自身わりかし本が好きなんですが、これがまずいと思うわけです。

 

というのも、小説が本気で好きな人と話してると大体最終的に

 

「三島がさ…」

 

とか、

 

「太宰はさ…」

 

とか

 

宮沢賢治の世界観が…」

 

みたいにみんな最終的にその時代の文豪の話に行きたがるわけですよ。

 

 

 

 

いや、今令和だぞ?

 

 

ってこちとら思ってしまうんですけどね。あんまり興味もてないし、読んでもよく分からないし。

 

ただ小説好きな人たちはみんなその時代の物語を絶賛するわけです。

 

これはどこからくるのかずっと疑問だったんですけど。

 

 

でも、今回はそんな私でも

 

 

島崎藤村

 

 

という人がすごい面白い人だと思ったので書いておきますねーーーー。

 

島崎藤村の「初恋」って作品があるじゃないですか。こんなのです。

 

まだあげ初そめし前髪の


林檎のもとに見えしとき


前にさしたる花櫛の


花ある君と思ひけり


やさしく白き手をのべて


林檎をわれにあたへしは


薄紅の秋の実に


人こひ初めしはじめなり


わがこゝろなきためいきの


その髪の毛にかゝるとき


たのしき恋の盃を


君が情に酌みしかな


林檎畑の樹の下に


おのづからなる細道は


誰が踏みそめしかたみぞと


問ひたまふこそこひしけれ

 

 

日本語ならではのリズムなんですかね。

 

現代語訳だとこんな感じ。

 

まだあげたばかりの君の前髪が
リンゴの木の下に見えた時
前髪にさした花櫛の
花のように美しい女性だと思った

 

優しく白い手をのばして
リンゴを僕にくれたこと
それは薄紅の秋の実
僕は初めて恋を覚えた


思わずもらしたため息が
君の髪の毛にかかったとき
恋に酔いしれる楽しさを
君のおかげで知ることができた


リンゴ畑の樹の下に
自然とできた細道は
誰が通って出来たかと
尋ねる君が愛おしい

 

なんかそんな

 

淡い初恋を歌ってる

 

って解釈されがちなんですけど。

 

 

これまず「赤いリンゴ」と「白い肌」ということで赤と白の対句になっているわけですね。その対比があるというか。

 

さらに、当時は髪が愛撫の対象ですから、これはあわい初恋の話というよりも

 

すっごいエロい話

 

なんじゃないかと考えられるようなのです。

 

しかもその女の子が

 

 

「おやおや、道まで作っちゃって。この道は誰が作ったんだい?」

 

って向こうから聞いてきてるわけですから、

 

これすっごい誘惑してくるタイプの女性

 

 

なんじゃないかと。

 

さらに

 

林檎って禁断の果実

 

ですから、これは禁断の恋とも取れるわけですね。

 

そうやって調べてみると、

 

 

島崎藤村

 

姪っ子を妊娠させている

 

んですよ。

 

いや、姪っ子ですよ。次兄の次女。

 

他にも教え子に手を出したりもしてる男なんですね、彼は。

 

詳しくは分からないんですけど、もしかしてこの初恋にもそういう要素が取り込まれていたのかなって思いまして。

 

そう考えたら、

 

めっちゃ面白いな

 

って初めて思えたんですよね。

 

まだ倫理観みたいなものが今ほど完成してない時代の文学ってすごいエネルギーあるなって。

 

人間の欲とか汚い部分とかが想像じゃなくて本人の体験から描き出されているのがこの時代の作品の面白さなのかもしれないなと思ったんですよね。

 

ちなみに漫画版ですが、「破戒」も読んでみたとこらからもめちゃくちゃ面白かったので、オススメです。

 

破戒 ─まんがで読破─

破戒 ─まんがで読破─

 

 

ということで、「夜明け前」「新生」なんかも時間あったら挑戦してみたいですね。

 

 

ベストセラーもいいけど、たまにはこういう作品も面白いなと思ったので書いておきますね。

 

読んでくださり、ありがとうございました!