保護者から
— ゾウにまたがりバッタをとる。 (@sunostrism) 2020年3月7日
「休校中に子ども達が自分達の好きなことばかりして全然勉強しない」
という相談を受けたので,
「そのお子さんの『好きなこと』がたまたま5教科に選ばれなかっただけかもしれませんよ」
とアドバイスしておいた。
Twitterにこう書いたんですけど、これについてちょっと思うことを今回は書いてみたいと思いますーーーーーーーーー。
私がこう考えるようになったのは,以前の教え子の姿からなんですね。
仮にA君としましょう。
A君はものすごく勉強が苦手で,ほぼ授業にはついていけないタイプの子だったんです。
授業中はずっと座っているだけで,漢字も間違いがかなり多い。学習面についてはかなりの課題をもっている生徒だったわけです。
でも,そんなA君なんですが,とにかく休み時間になると,面白い性格で周りを笑わせます。
冗談を言ったり教室にあるものを使ってモノボケをしたりするんですが,それがもう本当に面白くてクラスが明るくなるんです。
性格も優しくて,人のことを傷つけないので,クラスで1番の人気者だったんですよ。
間違いなく彼がクラスのいい雰囲気を作っているというか。彼を中心にして周りの子が生き生きとした顔になっていくんです。彼を起点にしてクラスの人間関係の歯車が回り始めるんですね。
更に家業を営んでいる子だったんですが,その明るい性格からお客さんも「A君ににまた会いたい」と会いにきたり,感動して手紙をくれる方までいるのだとか。
そんな彼の姿を見て私がすごく思ったんですよ。
「彼のもってうまれた能力がたまたまテストで測れないタイプのものだったってだけの話なんだな」
って。
A君のもっているものというのは,多分テストで100点をとるタイプの生徒にも真似できないものだと思います。
でもたまたま「みんなを笑わせる」「お客さんを喜ばせる」っていう能力がテストで測れないだけの話なんだなって思ったんですよ。
それってある意味でテストで点取るよりすごいことなんですよね。
そして私の中でどんどんこのA君という男が,
「この子本当にすごいな…」
って思うようになっていって。
そうなってからA君の欠席が劇的に減っていったんですよね。
実はあまりの勉強への苦手意識から欠席がかなり多い子だったんですが,周りから認められたり,何より私自身の見る目が変わったあたりから全く休まなくなりました。結果的に休まないので学力もちょっとずつ伸びていったんですね。
この事から思うのですが,
大人がどういう目で子どもを見ているか
が変わるだけで子ども達はいきいきしだすんじゃないかなって思うんですよ。
大人だって苦手な事だけ見られたら辛いじゃないですか。
今は色んな生き方ができる幸せな時代ですから,「5教科」という観点だけで子ども達を評価するのってものすごく窮屈な話だと思うんですよね。
そんな視点で子ども達を見ると,結果的にですがエネルギーが溜まって「勉強もやってみるか」ってなるような気がしています。
教育がうまくいかない時は,子どもをどういう目で自分が見ているのかをまず自分をもう一度問い直してみる
ことが大事なんじゃないかと思います。
皆さんの参考になれば幸いです。
本日も読んでくださりありがとうございました!