先日からアイディアに価値はもうないっていう当たり前の話を偉そうに書いてきてるわけなんですけど。
アイディアは一緒でもそれをどう演じるかで同じものでも全然違う結果になると思うんですよ。
言うなれば落語ですよね。
あれ江戸時代から同じ題目ちょっとずつ変えながら繰り返しているわけじゃないですか。
それこそ何千人って人が同じ題目で繰り返し演じてきたと思うんですけど,リズムとか間によって受ける印象が全然違いますよね。
(多分素人がやっても全然面白くないでしょうし。)
私「芝浜」の「また夢になるといけねぇ」っていう台詞がものすごく好きで。そこ聞きたいがためにたまにYOUTUBE聴いたりするんですけど,やっぱり人によって同じ台詞なのに印象が全然違うんですよね。
それこそ落語家さんて話している場面一つとっても,そのやりとりの間の取り方とかでお客さんがイメージする家の大きさとかが変わってくるから,そこまでこだわって練習するんだとか。
(反応が遅ければ相手の位置は遠い=大きい家になるそうな)
これと同じで教師もやはり同じ指導案でも,そのリズムとか間の取り方で差が出ると思うんですね。
同じことやっててもやっぱり上手い人は生徒が乗ってくるし,引き込まれる。
(実習生を見ているとその辺の違いがよくわかります。同じ指導案でやっていても慣れてないから授業全体にリズムがないんですよ。)
じゃあそのいいリズムってなんなのか?
っていうところをうまく言語化出来なかったんですが,以前も紹介したこの本の中に答えを見つけたような気がするので報告しておきます。
「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ
- 作者: 玉樹真一郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2019/08/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本にはゲームにおけるリズムについて書かれているわけですね。
リズムゲームとかってよくあるくらい,リズムっていうのはゲームにおいても人を熱中させるためにも必要な要素な訳ですよ。
この本の中ではその例としてテトリスが挙げられているわけです。
あの有名な横一列そろうと消えるゲームですね。
この
テトリスの一つのブロックが置かれてから次のブロックが落ちてくるまでの間に何秒間取れば,最もプレイヤーの反復を促せるのか。
まさしくリズムの話ですね。
皆さん何秒だと思いますか?
正解は、、、
間を開けない。
これなんだそうです。
そうやって間を開けないことで緊張感をプレイヤーは維持し続けてついついゲームにのめり込んでいるみたいなんですね。
これ,授業でも同じこと言えるのではないでしょうか。
上手い先生ほど周りながら頭の中で指名を考えておいて,生徒の発言をどうつなげるかをイメージできているので,切り返しがとても早いように思うのです。
さらには議論が煮詰まってきたら違う視点からさっと発問を出すなど,授業にリズムがあるんですよね。子ども達もどんどんそのリズムに乗せられていくというか。
またわかりやすいところだと英語のフラッシュカードとか,スポーツのボール出しにも同じことが言えるのではないかと思うのです。
私もずっとバレーボールをやっていますが,上手いチームには無駄な間がありません。次々にボールが出されるイメージなんですよ。全体がリズミカルでパッと全体が動いていく。
リズムに乗せられて練習して、気づいた頃にはみんな上達してるんですよ。
なので,アイディアが一瞬で伝達される時代にあってもこのリズムとか間というのが,教員の力量の差につながるところだし,
そこはプロとしてちょっとこだわってやらないといけないよなと思っているわけです。
皆様の参考になれば幸いです。
本日も読んでくださり,ありがとうございました!