教職者K

教育について考えるブログ。

弱いチームが強いチームに勝つ方法。

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(写真はレシーブが得意だった元バレーボール選手ゾンビ)

 

中学の部活でバレーを始めた私だが,だいたい競技歴は20年になる。

 

バレー選手として決定的に身長が足りなかった私は,

 

「どうしたら(小さい自分でも)点数が取れるのか」

 

「体格に劣る自分が勝つ方法は何かないのか」

 

を他の人以上に考えてきた自信がある。

 

 

結果として選手としては大した成果をだせなかったが,スリランカでは初心者たちを2チーム全国大会にまで連れて行くことができ,現在も指導者として一定の成果を出すことが出来ている。

 

そんな私が考える弱いチームが強いチームに勝つ方法を今回は述べてみたいーーーーーーーーーー。

 

 

先日中総体の決勝を見てきたのだが,下馬評では,ある学校がダントツの優勝候補だったのである。

 

 

力の差はあり,私の目から見てもこのチームの優勝は硬いんじゃないかなと思ったのである。

 

案の定,1セット目は大差でそのチームがセットを取った。

 

しかし,2セット目から戦況が変わる。

 

対戦校は徹底して1人の選手を狙い始めたのである。

 

その子は狙われているのがわかったのか少しずつプレーに焦りが出てきて,ミスを重ね始めていく。

 

そしてその焦りが周りにも伝染し,トスにも乱れが出始めてエースのスパイクが決まらなくなる。

 

たまらず優勝候補のチームはその狙われた子のレシーブの位置を変えるが,相手チームもそれに合わせてスパイクコースを変更し,またしてもその子を狙い続ける。

 

それもセンターから。

 

 

バレーは本来レフト(ネット左側)からの攻撃が多いのだが,あえて中央から打つことにこだわっていたのだ。

 

 

 

どこのチームもレフトからの攻撃に対しては守備をしっかり練習するのでなかなか決まらない。そこをこのチームはあえてセンターからの攻撃にこだわって,練習してきたようだった。

 

 

これを繰り返しているうちにいつのまにか離れていた点数は追いつき,そして逆転。なんと優勝候補が2セット目を落としてしまったのである。

 

なんというか風船みたいなものだなと思ったのだ。どこかに穴が開けば一瞬で戦況は変えることができる。

 

最初に空いた穴はわずかだったにも関わらず,そこからチームが崩れていくのが目に見えてわかった。

 

 

そして3セット目も同じ作戦で徹底して1人の子をセンターから狙い続ける。サーブもスパイクも全部その子の方に飛んでいく。(まあ確実に狙えるのが上手い証拠なんだけども。)

 

この一点集中攻撃によってリズムが崩れてしまい,優勝候補のチームは力の差はあるはずなのだがなかなか突き放せない。

 

結局終盤までかなりせったが,最後は狙われた子がなんとかレシーブを持ち直し,ギリギリ競り勝ち優勝を決めていたーーーーーーーーーーー。

 

 

この試合,負けはしたが,正直格下のチームの方が勝っていても全然おかしくないゲームだったと思う。

 

そしてこの試合からもわかるのだが,「弱いチームが強いチームに勝つ方法」というのは,

 

・一点突破すること。

 

・自分を尖らせること。

 

だと思うのである。

 

相手の弱さを徹底的につくこと。そして自分達の戦術をそれに合わせて極端に尖ったものにしていくことが必要なのではないか。(この試合の場合では同じ選手をセンターからひたすら狙っていたこと)

 

どこのチームも一生懸命スパイクの練習をしているが,普通にやっていたら身長が高くてスパイクを強く打てるチームには絶対に勝てないのである。

 

王道では勝てないからこそ,細かいところを徹底的に磨いて尖らせ,一点突破するしかない。

 

ちなみに私のチームでは基本的にまずセッターが2本目で相手コートに返してしまう練習を徹底してやっている。

 

過去にはこの作戦で1セット25点中10点近くとったこともある。それぐらいどこのチームも「バレーは3本で返ってくるもの」と思って練習しているのだ。

 

あまりにもこの攻撃が多いので相手は当然警戒してくる。でもそれでいいのである。

 

人は選択肢があると迷うからだ。

 

「2本で来るのかも…」と思わせたらそれだけで相手の判断が一歩遅れる。そうなってきたら力のないスパイクでも点数になったりするのである。(それに初心者のうちは下手にスパイクを打つよりずっとミスが少ない)

 

 

 

他にもチームの尖らせ方として,あえて

 

「当たり損ねを打つ」

 

練習をしているチームも見たことがある。

 

綺麗に回転のかかったボールはみんな慣れているから,変なボールの方が落ちたりするのである。

 

相手チームはレシーブしづらいようで力のないボールがポロポロコートに落ちて勝ち上がっていた。

 

他にも,

 

・サーブは全部ネットインを狙う。

 

・セッターの位置をあえて変なところに設定してみる。

 

なんていう尖らせ方も面白いんじゃないかと思っている。

 

 

実際にやるのはかなり勇気がいるが,そういうリスクを背負わない限り格上のチームには絶対勝てないだろう。

 

そんな尖ったチームをうまく作れた時が実力以上の成果を残す時なんじゃないかと思っているわけである。

 

さて,チームが負けてしまったので3年生はこれで引退。

 

次はどんなチームにしようか。毎年この時期はそれを考えているのである。

 

追伸

いやお前このブログももっと尖らせろよって話ですよね笑   ブログでも自分をどう尖らせていくか模索しております。今日も読んでくださりありがとうございました!