結構小説も読むんですよ。
好きな作家さんも色々いるんですが,その中の1人が萩原浩さんなんですよね。
なんというか,私はユーモアを書ける人が好きなんですが,そういう意味でもこの人は本当に素敵だなぁといつも思っています。
私のお勧めだと
「明日の記憶」
「誘拐ラプソディー」
「神様から一言」
あたりが好きですね。最近読んだこれもよかったです。
著者の直木賞受賞作。短編集っていうこともあり,とっても読みやすいです。
表題になっている「海の見える理髪店」はちょっと人気のないところにある理髪店の店主をあるお客さんが訪ねて…っていうお話です。
まず何と言ってもとても文章が絵画的ですね。想像するだけで「うわっその理髪店の鏡めっちゃ見てみたいな」っていう感じ。
そして有名俳優も通うほどの腕の持ち主だった店主がなぜそんなところに店を構えているのか?その辺がどんどん明るみになっていく感じがミステリアスで面白いわけです。
そして何より思ったのが,改めて感じる「理髪店の良さ」ですね。
最近私ももうすっかり理髪店派なんですよ。
もうあの美容院のおしゃれ空間が辛いというか。
おじさんの頭皮をチャラチャラした若者に晒したくないというか。
もうできる髪型が限られてきているというか。
その点理髪店はおじさんばっかりみてますから心強いんですよ。世の中からあのぐるぐるする青白赤のやつがなくならない理由がこの年になってわかりましたね。
行ってみるとまた蒸しタオルに髭剃りっていうコンビがめちゃくちゃ気持ちいいんです。
最後はちょっとしたマッサージもついて,あの手に空気入れてぱんっぱん!って肩叩かれるやつ,あれめっちゃ良いですよ。(わかるかな?)
短髪だったら間違いなく美容院より理髪店の方が上手なところも多いですし。
まぁなんというかこの作品はそんな理髪店の良さを思い出させてくれるわけですよ。
さらに最後のオチとかも本当に見事で。
「なんでそんな遠回りな一言…?
そうか、そうかそうなっちゃうよなぁ…!」
なんて思わされました。
(ちなみに一緒に入ってる他の短編は私的にはいまいちだったなぁ笑)
ということでですね,荻原浩さん好きですね。おすすめです。
夏休みに読書しようかなって方居ましたら是非どうぞ。