教職者K

教育について考えるブログ。

宿題が不要な4つの理由。

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今話題の麹町中学校の校長先生も宿題を廃止されたとのことだが,私も「宿題っていらないんじゃないか」思うことが多い。

 

そのように感じている理由について書いてみたいと思う。

 

①家庭環境が影響しすぎる。

 家庭での学習が定着している子ほど,母親の学習への介入が大きいことがわかっている。

 

つまり,小さい頃から母親が学習に寄り添うスタンスである家庭であるほど,家で子どもは勉強するというのだ。

 

しかし,学校で見ているともちろん一律にそういう家庭なわけでもないのである。

 

親がとても忙しくて家にいないケースもあれば,もっと言えばそもそも学習なんてとても家で出来ない家庭環境の子だっている。

 

なのでそういう子達に一律に宿題を出しておいて,提出しない子には「なんでやってこないの!」というのはいかがなものかと思うのである。

 

教育的に恵まれた家の子は有利で,恵まれない家の子は不利なのが浮き彫りになる宿題という形式が,本当に教育上適切なのか怪しいと思うのだ。

 

 

②一律の学習に意味があるのか。

多くのできる子や効率のいい子にとって宿題はこなしていけば終わる事務作業のようなものだと思う。

 

しかし,出来ない子にとってはどうだろうか。

 

中学生を見ているが,出来ない子は正負の計算ができない。もっというなら小学校の段階での学習内容がままならない子もいっぱいいる。

 

多分そのような子ども達にとって教科書というのは,我々にとってアラビア語で書かれた本を読んでいるようなものだと思う。

 

大概は答えを丸写しする写経のような学習をしてくることになる。写経したものを覚えているかといえばそんなことはないのである。

 

できる子にも出来ない子にも共通して有意義な課題であればまだ良いが,学校から離れた場所で,出来ない子に有意義に宿題に取り組ませるというのはなかなか難しいものがあると思うのだ。

 

現代っ子は忙しい

子ども達を見ていて思うのだが,とても忙しそうなのである。

 

学校で勉強して,部活して,さらには家に帰ってからも塾に行って。帰って来てから宿題をして。

 

中には「12時過ぎまで宿題していました…」という子もいる。

 

もちろん体調を崩し始める子もいるので,やはりいかがなものかと思うのである。

 

宿題をやっていたら体調を壊した,なんていうのは本末顛倒だろう。

 

 

④宿題と学力の関連性が怪しい。

 

宿題を出すほど学力が上がるのかというとそうでもないようなのである。

 

『国際的なテストの成績がトップクラスの国のなかには 、韓国や台湾のように 、宿題をたくさん出すところもたしかにありました (おそらく中国も同様だと思いますが 、この国の場合 、信頼できる統計デ ータの入手が困難です ) 。

 

しかし 、日本のほかにデンマ ーク 、チェコスロバキア (当時 )など 、同じく高得点なのに宿題がきわめて少ない国もありました 。

 

ギリシャ 、タイ 、イランなどの国は宿題が多いにもかかわらず 、生徒のテスト結果はよくありません 。』

 

(サルマンカーン・「世界は1つの教室」より引用)

 

つまり,宿題の量と学力の高さに相関関係は見られていないというのである。

 

たしかにたくさん宿題を出しても子ども達がただこなすだけの宿題だったらあまり意味が無いと思う。

 

(何度も繰り返して書く漢字練習は典型的な効果の低い学習だと思う。)

 

このような理由から私も宿題は不要だと思うのである。

 

しかし,家庭学習が長い子ほど,学力が高いのもまた事実である。

 

なので私は,

 

「宿題で強制はされていないんだけど,必要だから勉強しようかな」

 

と子ども達が自発的に机に向かうことが理想ではないかと思っているのである。

 

そこで最近はほぼ毎時間小テストをしている。

 

だんだん子ども達も「あの先生は今日もテストするだろうから,ちょっと勉強しておこうかな」となってくる。結果的に宿題は出さなくても子ども達が机に向かうことになるわけである。

 

そうやって家で少しでも勉強すれば宿題を出す以上に効果のある学習になるのでは無いかと思うのだ。

 

ということで私は宿題を強要したりすることはしていない。

 

追伸

ただどうしても色んな考えの先生がいますからね。その辺の意見があわないこともしばしば…笑 今日も読んでくださりありがとうございました。