最近若手の先生と話していて、
「自分が中学校の野球部の顧問になったらどんなチームをつくるか」
という話をしていたのである。
野球という監督の采配が非常に重要なスポーツにおいてどう監督がチームを組み立てるのか。野球というのは特に監督の存在が大きいスポーツだと言えるだろう。
ちなみに、話していたその先生は野球経験者である。その人曰く、こういうチーム像だった。
「中学校の野球で勝てるかどうかは、『いかにミスしないか』。だからひたすら守備の練習をします」
「そして相手の守備の乱れを出すためにもどう足を使っていくかを考えます」
「打撃の練習はほとんどやりません」
とのことだった。
なるほど、言いたいことはわかる。
これは多分バレーでいうなら、「サーブとレシーブだけ練習する」「スパイクはやらない」みたいなことだろう。実際に私もやったことがあった。
そして、自分でも色々とやってきてみた結果、今現在の私はこのような練習方法に
反対
なのである。最初から攻撃練習もやったほうがいいと思う。理由を説明しよう。
私がそのように考える理由、
それは単純に練習というのは異なるものを挟み込んだほうが上達が早いからである。
私はたまにこのように的を配置し、サーブで狙わせることがある。
この時、
① 1 にまず10本、2に10本、3に10本、4に10本と順番に打っていく練習。
②1に一本、2に1本、3に一本、4に一本を1セットとし、10セット打つ練習。
どちらも同じ40本だがどちらの方が上達がはやいか。
この場合、上達が早いのは②の方なのである。
これは心理学でいう「インターリービング(はさみこみ)」が関係していて、
「1つのことができたら次に行こう(ブロック練習)」
というよりも、
「いろんなものを挟みこんで練習していく(インターリービング)」
の方が学習効果が高いのである。
つまり、先の例なら走塁練習と守備練習をメインに据えるのはいいと思うが、その合間に打撃練習を挟んだ方が長い目で見たときにより効率が良いというのが私の考え方である。
よって私のチームでは
レシーブ練習→攻撃練習→レシーブ練習→攻撃練習
とはさみこみながら練習メニューを組むようにしている。攻撃練習では一本ずつ狙うコースを変えさせる。
以前は「今日は一日レシーブだけ」なんてこともあったが、これやりはじめてからの方が上達が早いような気がする。最初からスパイクを提示することによって、レシーブの大切さがこれまで以上に理解できるところがあるようである。
インターリービングは学習にもスポーツにも応用ができる考え方。
いろんなことに転用して、どうぞおためしあれ。