教職者K

教育について考えるブログ。

もしも学校教師が前田裕二の「人生の勝算」を読んだら。⑤

さて、ラストです。

 

⑤「共通目的・ベクトルがあること」

 

これはもうわかりやすいと思いますけど、「あの子達を応援して武道館に立たせたい!」っていうベクトルとか共通目的があることによってコミュニティが盛り上がるわけですね。

 

いわずもがなクラスっていう集団でも同じことが言えるわけです。

 

じゃあ学校っていう場は何を目的として設定したら盛り上がるのかというのが大切で。

 

「将来、社会の一員として立派に貢献し、税金を納められる人にみんなでなろうな!」

「おー!」

 

とはなかなかならないですよね。ちょっと言葉が固すぎて。やっぱり子供達にとってやりがいのある目標設定ができるかどうかが常に大切だといつも思います。

 

目標とか目的を考える際に私がいつも頭の中に入れているのが、

 

ヴィゴツキー

 

「概知のものが半分、未知なるものが半分という時、人はもっとも高い学習効果をあげる」

 

って言葉なんですね。

 

だから、

 

「あっここまではわかりそう。あれ?でもこっからはわかんないな?ちょっと頑張らないといけないな」

 

っていうところが一番学習効果が高いと思ってるんですよ。

 

具体的にいうと、子どもらって勉強してる子はめちゃくちゃ勉強してますから、日本とロシアが戦争したこと(日露戦争)は知ってるわけです。授業でやってなくてもポーツマス条約までセットで覚えて来ていたりする。

 

でもどうして、ロシアがわざわざ遠回りして日本まで来たかまでは知らないわけですね。資料つかって自分の頭で考える必要があるわけです。

 

そんな誰もが「ちょっと頑張る必要がある」みたいな課題の設定が大切だと思うんですよ。

 

これ部活でも使えて。例えばめちゃくちゃ強いチームと練習ゲームやるときに、

 

「(25点とって)絶対勝ってこい」

 

はダメだと思います。

 

プレーをする上で知らないことの割合が多すぎるんです。大概子ども達はぼっこぼこにされてやる気を失ってしまうんですね。

 

でも、そこを、

 

「今日は、13点とることを目標にしよう」

 

と言ってあげる。

 

そうするとプレーする上での子ども達の知っていることと知らないことの割合がちょうど半分くらいになるから、最後までやる気を失わずにできるんですね。

 

 

こういう子ども達がちょっと頑張ればできるか、出来ないかっていう「達成率50パーセント」の目標みたいなのを授業とか学級経営とか部活動するうえで提案できるかどうか。

 

子どもらがやりたくなるような共通目的をもたせることが、学校に熱中させる上でも大切だと考えているわけです。

 

ということで、かなり真面目になってしましましたが、とりあえず前田さんの本を読んで私が考えたことはここまで。

 

教育関係者の皆様に少しでも参考になる内容になっていれば幸いです。

 

子供達を熱狂させられるように、新学期もまた頑張りましょう。