奥さんがこんな懸賞をせっせと書いて送ろうとしていた。
シメジについている懸賞だそうである。当たると扇風機だの皿だのがもらえるらしい。それはいいのである。
これを見ていて私はふと妙なことに気づいたのだ。
「この答え丸わかりのクイズってなんの意味があるのだろう?」
と。
懸賞にはよくクイズがついているがどれも答えが丸わかりなのである。
上のキノコの懸賞にしても問題は、
「世界で一番〇〇の国 日本」
というものであり、
この〇〇に当てはまる言葉を答える必要がある。
しかし、その下にご丁寧に赤字で「日本は世界で一番長寿の国で」と書いてあるのである。
これ一体なんの意味があるのだろうか。
これがテレビなら話はわかる。最後まで見ることでキーワードを焦らして、視聴率を稼ぐ。その意図は理解できるのである。
しかし、このような紙面における答え丸わかりのクイズにはなんの意味があるのだろうか。
私なりに考えてみたのだが、これは多分、
なめられている。
これはキノコ会社から我々に対する挑戦だと私は受け取った。懸賞を通して私に喧嘩を売って来ているのである。
会社側からのメッセージはきっとこんな感じ。
「あなた今日もきのこを買いましたね?笑っちゃいますよ。今日もきのこなんですもん。連日どうもありがとうございます。
ほら、きのこって安いですからね。わかりますよその気持ち。野菜が高い、肉も高い。だから私に手を出したんですよね?値段がいつも同じようなもんだから。安いのにお腹の足しになるから。お皿にボリュームが増しますからね。
いえいえ別にいいんですよ、いつもありがとうございますね。
いや、そんなに怒らなくても。じゃあ一つだけ、一つだけそんにもきのこを食べるあなたにいいこと教えてあげますね。
日本は世界一長寿の国なんですよ。
え?知ってた?いやてっきり知らないものかと思いましてね。
特に長野県はきのこみたいな菌類をたくさん食べるので長寿だって言われてるんですね。
え、あなた長野県出身なんですか?
どおりでねぇ。ふーん。。」
きっとこんな感じ。担当者が私をあざ笑っているのが容易に想像できる。
「いや、そんなはずねぇだろ」と思う方もいるかもしれないが、同じことを松茸がしてくることが想像できるだろうか。
松茸のパックにこんな懸賞をつけるなんて絶対に考えられない。
安いシメジだからこそ、この懸賞に取り組む私たち庶民を高みから見て採用者は笑っているはずである。うちの奥さんなんてハガキにペン書きで「お願いします、当たって!」と一言添えてまでいるのである。やつらの思うツボである。「媚びるんじゃねー!」と私は心の中で憤りを感じていた。
そう考えると腹がたつし、腹が減る。ちなみに今日の夕飯はキムチ鍋(シメジ入り)だった。今日もご馳走様です。