さて今年も合唱コンクールがあったので備忘録として書いておこうかと思います。
高学力校であるがゆえに、今回も練習期間はたったの一週間。という普通の学校ではありえない短い練習期間で本番を迎えたわけですね。
さらに今回は私がずっと出張でほとんど練習を見られず。
中間発表も見られないし、なんなら当日も出張でいないというどうしようもない有様なのです。
そして今年に関しては生徒達の歌唱力がけして高い訳でもないという状況。
自由曲は「君歌えよ」という曲だったのですが、あまりに音が取れないので、
私『このまま行ったら「君歌えよ」じゃなくて「耳ふさげよ」だな』
生「…上手いこと言いますね」
私「どうもありがとう。でも別にこっちは褒めてないからね」
なんてやり取りをしていたわけです。
出張から帰って来て練習見れる3日間はひたすら男子について音取りを徹底させました。
「『エリーゼのために』は真面目な人ほど練習を重ねるうちに下手になります。なぜだか分かりますか?」
と先日コンサートを聞いたピアニストの方が面白いことを言っていたんですね。
これはどういうことかというと、
「タラタラタララララ~ん」というあの有名なフレーズは曲の間で15回くらい出てくると。
一方でアルペジオとかが出てくる中盤から後半に出てくる難しいフレーズは曲の中に一回ずつしか出てこない。
つまり、
真面目な人ほど最初から通しで練習する。
結果的に有名なフレーズは何回も出てくるからどんどんうまくなる。
一方で難しいところは練習回数が少ないから稚拙なまま。
だから全体的にはとてもアンバランスな印象に仕上がってしまう
っていう話だったんですよ。これその通りだなって。
子ども達って通しでやたら練習したがるんですよね。そしてお気に入りのフレーズの所を気持ちよく歌いたい。でもそれだと結局音取れない所はとれないままになってしまって聞いている側の印象は良くないわけです。
特に中学生の場合はポイントは男子なんじゃないかと個人的には思うのです。
というのも精神的に大人な女子は言わなくても真面目に歌うし、練習するんですよ。
たまにソプラノがやたら上手で魅力的な子もいますが、それはもはや才能とかこれまでの発声の努力あってのなんじゃないかなと。合唱コンクールの短い練習期間で普通の教員が作れるレベルのものじゃないと思うんですよね。
でも男子がちゃんと音取ってしっかり歌うっていうのは一週間ちゃんとやればそれなりに出来るんですよ。全パートがちゃんと音取ってそこに表現がつけばそれなりのものにはなるんですね。
だからひたすら音が取れてない男子について、他のパートと合わせた時に音が取れてないフレーズだけ徹底して繰り返しました。
本当は表現も考えさせたいところなんですけど。もう時間がなかったので今回はこちらから一方的に叩きこみました。
「いいか?同じ歌詞が二回出てくるってのは大事だからなわけ。一回目より二回目のがより大事だし、強調されるわけ。いい? 一回目より二回目強くして。いいね?」
「春のうららの『うらら』ってのは柔らかい日差しを意味する言葉なわけ。だからここは柔らかいイメージ。それイメージして声にして。入り絶対ミスんなよ。いいね?」
「『かいのしずく』のかいは船のオールのこと。船を力強く漕ぐ。はい、力強い声で!弱いっしょ。船進まないっしょ。もっと船進めてよ」
なんてもうひたすら叩き込みましたね。本当はこんな風に教え込むのは良くないと思いますけど、時間なかったんで勘弁してください。
そして当日私は予定通り出張へ。
もう馬に鞭打って打って打ってゴール直前でジョッキーが飛び降りるみたいなことしてるわけですよね。
出張中も結果が気になって仕方なかったんですけど。
同僚から「あんたのクラス優勝したよ」っていうラインが来まして。嬉しかったですね。
しかも受賞の時の子ども達のスピーチが「先生、届いてますか?」だったみたいですから、泣かせますよね。
でも本当は子ども達が何か成し遂げた時にそれは100%自分の手柄だと子ども達が思っていないといけないと思うので、今回のアプローチは決して褒められたものではないと反省はしています。(まぁ時間なかったってことで)
なんでしょうね。でも私自身ここ最近はもう忙しくて死にそうだったんですけど。
子ども達の歌声が本当に救いだったんですよ。どんどんうまくなる子ども達を見てるのが本当に喜びであり癒しというか。どんなに嫌な思いしてても合唱の時は張り切れるというか。
管理職の面談で「今後どうしたい?」ってことを聞かれたんですけどうまく答えられなかったですね。
そんなに経済的に困ってるわけでもないですし。やたら責任だけ負わされる道に進むぐらいならこのまま子ども達のそばに居たいかもなって改めて思ったというか。
そんなこれからの自分について色々と考える今日この頃です。
誰かアドバイスあればお待ちしております。
読んでいただき、ありがとうございました~!!