教職者K

教育について考えるブログ。

板挟みinフェブラリー

 

さて,第二子誕生間近の我が家なのだが,これがなかなか産まれてこないのである。

 

既に予定日を一週間近く過ぎているが未だに陣痛の気配なし。

 

こうなって来ると色々と不安になって来るのが親心というもので。

 

陣痛を促すホルモンが足りていない?

ってことは何かしらの問題が胎内で起こってる?

以前よりも年齢を重ねてるから?

 

と,まだまだ正産期ではあるのだが,ネットを検索しては心配になってばかりいるのである。 

 

更に私の不安要素はまだある。

 

妻は私に対して

 

「出産してから自分が入院している間の5日間は仕事を休んで欲しい」

 

と言うのである。

 

確かに両親がいないという初めての状況の中で上の子を不安定にさせたくない気持ちは分かる。

 

しかしこれまでほとんど仕事を休んだことがなく,上の子の出産の際も一日も休まなかったワーカーホリックな私にとって5日間というのはあまりに長い期間である。またそんなにも長い期間休むことをパワハラ上司に言ったら何を言われるかたまったものではない。

 

ちなみに現在妻子は実家にいるために祖父母に上の子の世話を頼むこともできる。

 

しかしながら頼みの綱である祖父母も

 

「自分の子ども産まれるんだから5日くらい休むでしょ」

 

と珍しくそちら側のスタンスなのである。

 

なのでここ三週間はいつ産まれても良いように必死に期末考査の丸つけをして,評定をつけ,自習課題も準備。DAPUMPばりにカモンベイビー状態にしておいた。

 

こうして万全の体制を取っていたのだが……私の努力は空振りに終わり,陣痛は来なかったのである。

 

更に私の想定外の事が起こる。

 

2月が短いのである。

 

この3週間のうちはいつ陣痛がきても乗り切れる自信があったのだが,2月があっという間に終わり,ここから学校は入試シーズンに突入する。

 

来週からは高校入試、採点、卒業式……と外せない業務がつづく。

 

ここで5日間開けるというのは果たしてありなのだろうか……。

 

私は一番理解がありそうな3人の子をもつ女性教諭に探りを入れてみたのだが,

 

「5日は多いでしょ」

 

という返答だった。

 

更に彼女は言う。

 

「入試の日に居ないのはまずいよ。前もコロナで人いなくてめちゃくちゃ大変だったから。採点とか日付またぐかと思ったもん。人いないのはきついよ」

「え? 実家にいるなら大丈夫じゃないの?」

「まぁ気持ちは分かるわなぁ~。命がけで生むわけだから。そもそも仕事と比べられるのも腹立つと思う」

「うん,奥さんの気持ちは分かるわ。でも学校も大事な時期だからなぁ……なんか板挟みで大変だね!」

 

と笑顔のTHE・他人事だったのである。

 

ということで,仕事なのか家庭なのか。今の私はここから先どう動くべきかかなり迷っており,子どもが生まれてくるタイミングにハラハラしているのである。

 

最近は俵万智の短歌集を読んでいたのだが,その中の一つが心に沁みた。

 

子のために願うことなかれ 願うとは何かを期待することだから

 

あぁ。。私は子どもが産まれてくる前からいい時期に生まれてくれることを期待してしまっているひどい親父だ…。

 

更に俵万智はこうも読んでいた。

 

最後とは知らぬ最後が過ぎてゆく その連続と思う子育て

 

沁みる。なんでこんなに短い言葉でその情景を切り取れるんだろう。

 

この悩みもきっと後になってみれば笑い話なのだろう。でも最近の私はいつ陣痛が来るのか,上司に何と言えばいいのかを考えると,ドキドキしてなかなか寝付けないのである。

 

ちなみにもし今生まれたら,その時は2時間かけて毎日通うことも検討している。

 

家庭も仕事も捨てられない。

 

30代中盤はそんな色んなものに挟まれる年齢なのである。

 

本日も読んでいただき,ありがとうございました!

 

(ちなみに読んでいた本はこちら。)