これここ最近読んだ中でもかなり面白かったので皆様にオススメです。
こちらは、写真家で狩猟家で末期のガン患者である幡野広志さんが色んな人達のお悩みに応えていく一冊。
私、昔からお悩み相談を見るのがすごく好きなんですよ。
読売新聞の「人生案内」はもう小学校の頃から読んでますからね。
根っからの悩み好き、といか人の悩み事を見るのが好きな下世話な男なんですね。
読売の人生案内はたまに良い返答があるって感じなんですけど、この本の幡野さんの返しはもう全てに極上のキレがあります。
中には、
「どうしたら幡野さんみたいな文章が書けますか?」
って質問してる人もいるんですけど。
それくらいシニカルなジョークを混ぜながら、心に落ちる言葉を的確に落とし込んで来ます。
私が読んでいて思ったのは、「この人は書き方がうまい人じゃ無いんじゃないか」って事なんですよ。
なんというか、質問者の文章から相手がどんな背景を背負っているのか想像するのが、多分めちゃくちゃうまいんですよ。「こういう言葉を使うってことは、きっとこんな人なんだろう」っていう想像が的確なんですよね。
だから正しくは「書き方がうまい」じゃなくて「読み方がうまい」んだろうなって。
(その読んだ事が文章になってるから結局書き方も上手いんですけど。)
文章って人そのものだと思うんですよ。
私のこと知らないでこのブログ読んでくださってる方もいると思うんですけど、多分実際に会って話してみても、きっとイメージ通りなんだと思うんですよね。
(皆さんのご想像の通り、オーランドブルームにそっくりなんですよ、私ったら)
色んな悩みを持った人の人間性とそれに応える幡野さんの人間性が文書から滲み出てきていて、その人間臭さが堪らなく面白いですね。
あまりにも返答のキレが良すぎて、普通の人が言ったら言い過ぎの部分もあります。
例えば私がどんなに思っていても保護者に対して、
「それはあなたの子育てが悪いです。」
とか
「あなたは本当に子供の育て方が下手だ」
とか言っちゃったら正しくてもちょっとキツ過ぎて聞いてる側がひいちゃうじゃないですか。
でもキツイことを言っても許されるのは、幡野さんが死と向き合ってるガン患者という立場だからなんじゃないかなって。
生きるってなんなのか、自分が病気になったらどんな風に振る舞うか。
人の悩みに応える言葉から、生きることそのものの意味を考えさせられる一冊になっています。
手元に置いておいて、自分が傲慢になりかけた瞬間とかに読み返したいですね。
ということで、皆様にお勧めの一冊です。
誰かの参考になれば幸いです。
読んでいただき、ありがとうございました!