こちらの本のレビューを書きます。
宮教大の教授だった方が書かれた本だそうで。
すでにお亡くなりになっているようですが、最近になってまた話題のようです。
教員という仕事にも活かせそうだと思って読んで見ました。
概要と感想を書きます。
主張を端的にまとめると、
あんまり友達に濃密な関係を求めすぎるな。
ってことでした。
むしろ
「うまくやり過ごすこと」が大事
だと。
みんな「子ども達は仲良く出来る」と思っているけど、それは違うと。
昔はムラ社会だったからそれで良かったけれど,今の社会は多様だから単なる偶然の集まりに過ぎない。
だからそれぞれがやり過ごしなら、気の合わない人とも「共存」出来ることが大事。
そういうことを書いている一冊になっております。
私が読んでいて思ったのは、
日本の教育ってクラス単位で何かするっていう機会がものすごく多いんですよね。
合唱コンクールだったり体育祭だったり。クラスみんなでなんかやりましょうっていう機会がすごく多くて。
そこにうまく馴染めない子っていうのはやっぱり息苦しいんじゃないかなって思うんですよ。
教え子の悩みの第一位もやっぱり友達関係ですからね。
特に修学旅行の班決めとか,そういう時は特にみんな「仲のいい子と組みたい」と思っていますから、仲のいい子がいない子はやっぱり自分の居場所を失ってしまうような心細さを感じると思うんですよ。
そしてそういう日本の教育の「クラス単位で」「みんな仲良く」みたいな考え方が今の個を重んじる時代に合わなくなってきているのかなって。
だってもう当たり前のように外国人の子もいるわけですし、そもそもクラス単位で育てることを前提とした教育ですから、今みたいな感染症が広まっている時の準備(個に対する教育の保証)は何もしていないわけですよ。
だからそういう意味でも教員側も,
「みんな仲良くしなさい」
「みんなと同じようにしてなさい」
って言っちゃうのはもう限界来てる時代なんじゃないかなって思ったんですよね。
特に上の世代はみんなを一つにまとめるみたいなのが教員の姿っていう理想像を強くもっていますから、ちょっと考えが合わないなと思う瞬間が結構あります。
私思うに、今求められてる教員像って
「子ども達がもっている色を混ぜて自分の理想としている色を作る人」
じゃなくて、
「それぞれが持っている色をちょっとずつ使いながら一枚の絵を完成させる人」
だと思うんですよ。
中にはもう他の色と全く合わないようなアクの強い色とかもあったりするわけなんですが、そこもアクセントとしてそのまま生かす力量がプロとして求められてるのかなって。
そんなことを私は本を読んでいて思いました。
文章も読みやすいので,友達関係に悩む中学生や高校生にもおすすめの一冊になっております。
気になる方が居ましたら是非どうぞ。
本日も読んでいただき、ありがとうございました!