教職者K

教育について考えるブログ。

旭川いじめ事件について。

旭川で自慰を強要されたり、性的嫌がらせを受けた女子中学生が自殺してしまうという事件があって。

 

私も教員の一人としてどうしたら防げたのか、また何が問題だったのかを考えるためにちょっと調べてみました。

 

まずは一番詳しく乗っていた文春オンラインから、事件の概要を整理します。

 

2019年4月 

当該生徒中学に入学 

 

2019年6月 

先輩男子から性的ないじめを受け始める。

 

・保護者はこの時点で担任に相談。

 

・周囲から囃し立てられて女子生徒は川に飛び込むも、怪我等はなし。

 

・しかしながら、この川への飛び込み事件に警察が介入したことにより性的な写真の存在など、いじめの実態が明らかになる。

 

2019年9月 女子生徒は他校へ引っ越し 

 

しかし、ほとんど登校できず。

 

(一年以上引きこもりに)

 

2021年 3月 

オンラインで繋がりのあるゲーム仲間に自殺する旨を伝える。

 

川で凍死した遺体として発見。

 

これがざっと見た概要かなと。

 

私はこれを見て、冷静に整理すると今後重要なポイントは三つなんじゃないかなって思いました。

 

まず一つ目。

 

①最初の学校のいじめ対応が適切だったか。

 

これですね。学校がいじめをどのタイミングで認知し、それに対して生徒を守る対応が取れていたかどうかがポイントです。

 

例えば先輩達と触れ合わないようにするために、休み時間も教員が見張るとか。

 

加害者側の生徒や保護者にアプローチしていたかどうかとか。

 

そういう学校の手立てがあって然るべきなんですけど。

 

どうしても文春の記事だといじめられていた子の母親だけの証言なので、学校が何していたのかがよく見えません。

 

なので、この辺の対応がどうだったのかがこの事件については間違いなく一番大切なところでしょうね。

 

そして二つ目は、

 

②二つ目の学校がほとんど不登校のその子に対してどう対応していたか

 

です。

 

どうしても学校って来る子で手一杯になりますから、来ない子に対しては対応が疎かになりがちです。

 

このケースはいじめ発生から自殺までかなり期間が空いていますから、その間に頼れる大人の存在や話を聞いてくれる仲間の存在がいたら、自殺という最悪のケースには至らなかったかもしれません。

 

なので、この2つ目の学校がほとんど来れない不登校の子と家庭とどう接触していたのかっていうのが、二つ目のポイントなんじゃないかなって思いました。

 

そしてラスト。

 

それが、

 

③記録が残っているか。

 

です。

 

いじめ案件とかはその度に記録を取っていくのが定番なんですが、その取り方や保管期間は実は設置者や学校に任せられていたりして、曖昧なところがあるんです。

 

文科省の指示でも指導要録に合わせて5年保管している事が「望ましいぐらい」にしか書かれていません。)

 

指導要録は保管の法的根拠がある訳なんですけど、いじめ案件については市教委や当時の担任に任せられているところがかなりあるわけですね。

 

今回実際のいじめから、自殺までの間に期間がある事から、どの程度その記録が残っているか疑問です。

 

週案や、出席簿、生徒の書いた日誌などありとあらゆるものを調べて、学校が説明責任を果たせるかどうかにかかっているでしょうね。

 

何にせよ、こういう対応間違えると人の命が奪われかねないですし、教員は命を預かっているっていうことを忘れちゃいけません。

 

自戒のためにも書いておこうと思います。

 

読んでいただき、ありがとうございました!