教職者K

教育について考えるブログ。

「あやうく一生懸命生きるところだった」を読んでみた。

先日こちらの本を読んだのでご紹介したい。 

あやうく一生懸命生きるところだった

あやうく一生懸命生きるところだった

 

 韓国のイラストレーターの方が書き,話題になっている一冊である。

 

新聞でも取り上げられており,書評系のYOUTUBERも取り上げていたことから気になって読んでみた。

 

こちらは「一生懸命生きる」という生き方をやめた作者の人生に対する考え方が書いてある一冊。

 

タイトルは「あやうく一生懸命生きるところだった」だが,私にはその本質が「あやうく他人の評価基準を生きてしまうところだった」のように感じた。

 

我々はどうしても人が作った評価基準を達成しようと頑張ってしまう。

 

金持ちか。

 

結婚しているのか。

 

子どもはいるか。

 

家はもっているか。

 

これらは全て周りの人が決めた幸せの基準であり,それを追い求めるレースに乗る以上,我々は「一生懸命生きる」ことをせざるを得ない。

 

作者はそんな生き方に嫌気が差し,一般的な人生レースから降りた暮らしをしているわけである。(40過ぎて転職・家族なし・家無し)

 

本を読んで改めて思ったが,我々の思う「幸せな人生像」は 思った以上に意識として刷り込まれている。

 

 YouTube を見れば,大儲けした人たちが家を公開し,そのきらびやかな生活には目を奪われる。

 

そうして成功や幸せが「大きくて立派な家に住むこと」だと洗脳され,みんなそれを追い求めるようになる。

 

しかし,人によっては小さい家の方が暮らしやすいだろうし,高価なものよりも安価なものの方が気を遣わなくてもいいのだから,生活する上では楽だろう。

 

にもかかわらず,多くの人が成功して大きな家に住むことを追い求め,一生懸命になるわけである。

 

かくゆう私もそうやって人の評価基準を生きてしまう瞬間がある。

 

本の中でも紹介されている,「新しい下着を買わない人」というのはまさに私だと思った。

 

私は最近妻に指摘されてようやく新しいパンツと靴下を買ったのだが,それまでずっとボロボロになるまで着ていた。

 

なぜなら,下着は人に見えないからである。

 

シャツや靴は買うくせに人に見えない下着は買わない私。

 

これはまさに「人からどう見られるか」ばかりを気にしているのだなと本を通して自覚させられたのだった。

 

また,最近、私はとにかく自分の老いがつらいのである。

 

自分の見た目がどんどん変わっていくのを悲観していたのだが,これも同様に「人の目」ばかり気にしていたからなのかもしれない。

 

人は幸せになろうと思ったらその瞬間に幸せになることが出来る。

 

方法は簡単で,「人と比べない」ことと「人が作った評価基準を生きない」ことである。

 

現代社会はSNSの流行などもあって人と比べることで簡単に不幸になれる世の中になっている。

 

この本がヒットしているのは,そんな他の人との競争に一生懸命になってしまい,疲れてしまう人が世の中にたくさんいることの表れだろう。

 

イラストも挟まれているのでテンポよく読める一冊である。

 

人生のレースに疲れて来た皆様にお勧めしたい一冊になっている。

 

興味のある方がいたら,是非読んでいただきたい。