先日こちらを読みまして。
直木賞の候補作になっていたということで気になって読んでみました。
このあらすじと感想を書いてみます。
あらすじ
長谷川香という女性は,親から虐待を受けています。
母親が期待する通りにうまく振る舞えないとベランダに放り出される日々…。
そんな彼女の心の支えになったのが,隣の家の子の存在でした。
隣の家の子もまた虐待を受けており,二人は顔が見えないまま,ベランダでお互いに励まし合います。
しかし,その隣の家では後に長男が妹を刺殺し,両親を放火で殺してしまうという事件が発生します。
成長した香は映画監督となり,この事件のことを題材にしようと調べていくことで、次々とこれまで分からなかった事実が明らかになっていく…
そんな本格的なミステリーになっています。
感想
感想としては、まず物語全体に緊張感があり、読んでいてずっとハラハラします。
次々と分かる事実は読者のミスリードを誘い,非常に読んでいて面白い作品でした。
何より私が一番思ったのは、
女性の怖さ
なんです。
この本に出てくる女性がみんな怖い。男なんて単純な生き物だということを改めて思わされます。
湊かなえさんのデビュー作の「告白」もそうだったと思うんですけど,女性の執着する怖さみたいなのがすごく書かれています。
特に本書の中には、隣の家の女の子としてサラという子が出てくるですけど。
平気で嘘はつくわ,裏と表の顔はあるわ,善意に見せかけたイタズラするわ,嘘ついて男同士の仲も悪くするわ、
と,もう中々の性格の悪さなんですよ。
そして何が怖いって
このキャラクターが少しも空想に思えないところ
だったんです。
実際に居ますからね、こういう生徒。自分が話の中心じゃないと気が済まない子。
教員なんでそういう目で本を読んでいました。
特に小学校5年生ぐらいからはそうだと思うんですけど、担任の力量って
女子と上手くやれるか
に凄くかかってると思うんですよね。
ここがめちゃくちゃ難しくて、私も部活では女子部をもっているんですが,毎年「必ず」一回は人間関係でトラブルが起こります。
そのトラブルをうまく解決出来ないと,勝ち上がるチームは作れないんですよね。
クラスもそうで,そういう女子達の信頼をいかに得るかが肝になっているというか。
この本からはそんな女性の執着の強さと怖さを凄く感じましたし、そういう心理を勉強する上でも参考になったかなと思います。
ということで,今回は湊かなえさんの「落日」についてあらすじと感想を書いてみました。
皆様の次の一冊の参考になれば幸いです。
本日も読んでいただき,ありがとうございました!