東京都が三密を避けるために、スーパーの時間差入店を検討しているらしい。
そのやり方として「あかさたな入場」、つまり苗字の50音順の入場を検討しているというニュースが聞こえてきた。
これを実際にやったらどうなるか、私なりに推測してみたので書いておきたいーーーー。
まず意気揚々とスーパーにやってくるのは「相原さん」である。
小中高、すべて出席番号は一番。
やはり私こそが入店1番にふさわしいと思いながら相原さんは来店する。
しかし、ここで入り口で店員に止められてしまう。
なぜ?なぜ私が一番ではないのだ?
何ということだろう、
「愛川さん」の登場である。
「こちらへどうぞ」
と相原さんを尻目に入店する愛川さん。
学生時代毎回一番最初に指名され続けてきた「愛川さん」。その苦労がこんなところで報われるとは。愛川さんは長年の苦労が報われたわけである。
愛川さんと相原さんの入店で、真っ先に人気商品であるマスクが売り切れることになる。
続いて「佐藤さん」と「鈴木さん」が続々と入店。
苗字ランキング1位と2位のこの二つの苗字を持つものたちが続々と店内に入り、次々と商品が買い占められていく。
こうなると黙っていられないのが、
「高橋さん」と「田中さん」
である。
苗字ランキング3位と4位のこの人たちなのだが、なかなか店舗にいれてもらえない。
更には、普段見向きもしなかった
瀬林、
瀬峰、
瀬川、
曽根、
園田、
染谷、
辺りが次々と入店していくのである。
くっくやしーっ!マイナー苗字のくせに!
そしてほとんど商品が無くなったあたりに入って来るのが、「山本さん」と「中村さん」あたり。
この辺になってしまうともうロクな商品が残っていないので、山本さんと中村さんは店員にクレームをつけたりし始める有様である。
そして、何よりも一番かわいそうなのが、
「わたなべさん」
の存在だ。
苗字ランキング6位なのに、全然店舗に入れてもらえないからである。
そうこうしている間にも、店の商品は無くなっていく。もはや一刻も争う緊急事態である。
「六川さん」の買い物が終わり、
ようやく自分の番が来た!と思った「わたなべさん」なのだが、ここで予想していなかった思わぬ問題が出てくる。
渡邉、渡邊、渡部、渡辺…
どれを優先するのか問題の発生である。
どれを一番にするのだ、とそれぞれが店長に詰め寄る。
「名前で決めるべきだ」
と主張する「渡邉愛さん」。
「いや、画数が少ない方を優先すべきだろう」
と訳の分からない理屈で譲らない「渡辺みほさん」など、もう戦々恐々。
最後には警察沙汰になるというストーリーである。
ということで私なりに妄想してみたが、こんなやり方を取ってしまったら混乱を招くのは間違いない。
やめておく方がベターだろうと、苗字が遅い方である私は思っている。