教職者K

教育について考えるブログ。

【レビュー】時をかけるゆとり

今回は先日読んだこちらの本をご紹介しようと思います。

時をかけるゆとり (文春文庫)

時をかけるゆとり (文春文庫)

 

 

「桐島部活やめるってよ」「何者」などで有名な朝井リョウさんの作品。

 

なんか面白いエッセイないかな〜とまたしても探していた結果、Google先生に教えていただいたのがこちらの本だったわけであります。

 

内容としては朝井リョウさんの大学時代を描いた一冊になっており,就活や,自転車旅行など学生らしい日々を切り取った作品になっています。

 

感想ですが、単純に面白かったです。

 

アホでバカな男子学生もろだしで、私好みでした。(もっと下品でも良かったぐらい)

 

ちょっと引用しますが、「執事喫茶」なるコンセプトカフェに行った話では、

 

こんな場所で「旦那様」等と呼ばれ丁寧にもてなされていると,どんどん「あれ、俺って馬主だったっけ?」という気持ちになってくる。しかし、自分の着ているユニクロのシャツの肌触りで「違う違う違う」と馬主でないことを再確認させられる。私は馬主ではない,馬顔だ。

 

と勘違いしてみたり。

 

「抱かれたい芸能人ランキング」の「抱かれたい」とは本当に文字の意味のまま「だきしめられたい」という意味だと信じて疑わなかったあの頃の澄んだ瞳を取り戻したい。

 

と回顧してみたり。その視点がとにかく面白かったです。

 

いや何がすごいってこの人若いですからね。1989年生まれ。

 

いわゆる「ゆとり」って言われる世代がこれだけ面白いもの書いてるなら、ゆとりって成功なんじゃないの?とすら思いました。

 

しかも本の中にあるんですが、この人、

 

中学生の時にクラスメイトがバトルロワイヤルみたいなことをする小説を数百枚書いて先生に提出したみたいで。それが職員会議の議題になってるみたいなんですよね。

 

私は経験上そんな生徒いませんでしたし、その小説にかけるエネルギーが今の朝井さんに繋がってるのだなと思いました。

 

ということで単純におもしろエッセイとしても楽しめますし、

 

人気作家がどういう背景で今に至るのかが分かる一冊になっております。

 

暗いニュースで気持ちが滅入る毎日ですから、

 

「なんか笑える本ないかな?」

 

という人にオススメの一冊になっております。

 

皆様の参考になれば幸いです。

 

本日も読んでいただき,ありがとうございました!