先日こちらの本を読みまして。
ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
- 作者: 楠木建
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/05/10
- メディア: 単行本
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こちらなかなか面白かったのでご紹介するとともに、私が考えた事を書いておこうと思います。
こちらの本について結論を簡単に書くとですね。
うまくいっている企業というのは,みんな
イケてる戦略(ストーリー)
をもっているっていう話なんですね。
んじゃあ戦略って何かと言うと,ゴール(利益・勝利)までの道筋なのですが,
これが
「一見して不合理」
なほど良いというのです。
本の中ではその一見して不合理な戦略の例としてスターバックスや楽天などいろんな企業が取り上げられているのですが,
今回は女性フィットネスのカーブスを取り上げてみましょう。
カーブスは女性を中心に人気のフィットネスなわけなんですが,今でこそ当たり前ですが,当初事業を始める時は「女性専用」にはかなり反発があったそうなのです。
というのも,女性に絞るということは,男性客が入れなくなるということで。単純に対象となるお客さんが半分になってしまいます。
さらに,筋トレというのは男性にマニア的に好きな人が多いですから,その男性を最初からお客さんにしないと決めるのは明らかに
「一見して不合理」
な戦略になるわけですよね。
でもそれによってカーブスは女性が行きやすく,女性が男性の目を気にすることなく行ける場所になったわけです。
スタッフも女性ですし,一回30分というトレーニング時間はトレーニングをあまりしたことが無いライトな層に大ウケして急成長に繋がったわけです。
カーブスに行く層と,例えばゴールドジムに行く層ではそもそもその層が全然違うからお客さんの奪い合いにならないわけですよ。
そしていろんな企業がこういう「一見して不合理」な戦略をとって成功していると。
そしてその戦略というのはストーリーみたいにとってもイケてて面白いものなんだってことが書かれていたわけです。
これ私教育でも同じことが言えるんじゃないかと思いました。
例えば最近だとこちらのずっと話題の本。
学校の「当たり前」をやめた。 ― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革 ―
- 作者: 工藤勇一
- 出版社/メーカー: 時事通信社
- 発売日: 2018/12/01
- メディア: 単行本
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この中では「定期考査廃止」という「一見して不合理」が行われているわけです。
当然,一見して不合理な訳ですから,
「子ども達が勉強しなくなるだろ!」
とか
「評価はどうするんだ!」
とかっていう非難の声も出るわけなんですが,ちゃんとストーリーとして組みたっているから,これが成り立つわけです。
(麹町中学校は何度も挑戦できる単元テストを採用している。それによって子ども達は一夜漬けにならず意欲的に勉強するとのこと)
そのことが麹町中学校の名前を全国に轟かせている要因になっているわけですね。
そして私がこの本を読んで一番思ったことなんですが,
優れた戦略は物語としてストーリーになっているからうまくいっているわけで,
一部分だけを真似してもうまくいかない
ということです。
つまり,麹町中学校はその学校のストーリーの中でやっているからこそうまくいっているわけで,静止画的にその要素を他の学校が真似したところでうまくいかないだろうということです。
例えば最近だと校則を全廃した学校が話題ですが,それもその学校のストーリー(校長先生の人柄や学校の雰囲気など)の中にあるからこそ成立する話で。
なんの脈絡もなく,他の学校が「明日から校則なしね」と伝えたら多くの学校でとんでもないことになるでしょう。
その際たる例が今年のトーチトワリングの事故だと思うのです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190827-00010011-sp_ctv-soci
もともとそれほど難易度は高くないらしいですが,(いや明らかに怖いけど)それでもこの事故になってしまったのはもともとストーリーがないところが模倣だけしたからじゃないかと私は思うわけです。
つまり学校や学級経営においてもこのようにストーリーがあるのかという視点がとても大事なんじゃないかと思ったので書いておきます。
追伸
今回のポイントなのですが,
・他の人から見た時に「一見して不合理」なストーリー(戦略)を考える。
(学級経営・部活運営に活かせる)
・自分のストーリーの流れを大切にする。
(ただパクっても上手くいかない)
ってことかなと。
さて何やりましょうかねぇ。頑張りまーす。
本日も読んでくださりありがとうございました!