今回読んだのがこちら。
百田尚樹の「夏の騎士」。
もともと百田さんの作品が好きでほとんど読んでいたのですが,引退作ということで,とても楽しみかつ悲しい気持ちになりながらも拝読しました。
今回はレビューを書きます。
あらすじ
時代は昭和最後の夏。
小学生の僕は「騎士団」を仲の良い友達を結成し,同級生のマドンナである有村に騎士として忠誠を誓うーーーーーーーーーーーーーーーーー。
そして有村からは,「騎士団の決意を見せて欲しい…」と難題を出され…。
さらには,街では殺人事件が起こり,騎士団は調査を始める…
(ネタバレになってしまうのでここまでで。)
そんな少年達の青春と成長を描いたストーリーになっています。
感想
日本版のスタンドバイミーを目指した作品と言って良いでしょう。
3人の友情や,あとで出てくる壬生(←いいキャラ)との関係性の変化など,少しずつ大人になっていく子ども達の様子がとても微笑ましいですね。
「上下の区別のない円卓の騎士を結成する」
というスタートで3人は騎士団になるわけで,
最初読んだ時はちょっとそのダサさに読んでて恥ずかしくなっちゃうわけなんですけど,そういうダサさを持ってるのが大人と子どもの間の年齢の子の特徴なんだよなぁと。
こんなやつらいないだろと思いつつも,読んでいるうちになんだか雰囲気に納得させられてしまうわけです。
個人的に百田さんは結構好きなんだかんだでほとんど読んでいます。
過激な発言が話題ですが,いつも筋は通っているんじゃないかと。
このお話でも最後には「戦争」と「家族」についての話題が出てくるんですが,やっぱりそれが最後まで百田さんが世の中に伝えていきたいことなんだろうなぁと思いました。
私は上の世代が残してくれた偉大な概念というのが,
「戦争の悲惨さ」
と
「家族の大切さ」
だと思っているんですけど,本作からもそういうメッセージが伝わってきます。
そして急激に人との繋がりが薄くなりつつある現代はこういった先代達からのメッセージをどう受けて止めて次の世代につないでいくのだろうかと
そんなことを考えさせられました。
さくっと読めるし,子どもでも読みやすいし,読書感想文とかにもいいかもしれません。
暇な方いましたら是非どうぞ!