この時を待っていた。
つい先日、妻から「お父さん(祖父)たちから温泉誘われたから泊まりで行くんだけど。パパも行く?」と聞かれたのだ。
私の心の中の返答はNO。しかし、あくまで角が立たないように細心の注意を払いながら返答する。
「うわぁ。温泉いいなぁ。でも金曜日は月末だから、まとめておかないといけない仕事があってね。土曜日も午前から部活だから迷惑になっちゃいそうだからやめとくよ」
(温泉は行きたいけど、1人の時間ほど貴重なものはないのだよ!絶対行かない!ヤッホー!1人だ!ウヒョー!何しよ?!)
こうして確保したこの1人きりの休日。私はずっとやりたいと思っていたTシャツ染めに挑戦することにしたのである。
そめるのはこちらのユニクロのTシャツ2枚。感謝祭で安く購入して一度も来ていないアナキンと、去年買ったストームトルーパー。
ちなみによく考えたらスターウォーズをまともに見たことないかもしれない。そんなにわかスターウォーザーですらない私。
どちらもグラフィックがかっこいいとだけ思って購入したのだが、このまま着るのは服好きとしては「いかにもユニクロ」という感じである。
そこで染めていく。使うのはこちらのダイロン。
黒にしたい時は2個必要ということでこちらの2個をボールにぶち込む。
すでに妻がいたら許されない所業である。
「ちょっとキッチン黒くしないでよ!」
「食品使うものにこんなの入れないでよ」
想像しただけで気持ちが暗くなる。でも今日は言われない。だって1人なのだから!
(みなさん、うちの奥さんには絶対言わないでね)
ここに熱湯を足して泡立て器で混ぜていく。
混ぜている間にも真っ黒な水がキッチンに飛ぶ。
いつもなら「ねぇ、やめて」とすぐに言われることだろう。でも今日は言われない。だって1人だから!あぁ最高だ。こんな幸せなことってあっていいのか。妻子がいない1人の我が家で私は「ショーシャンクの空に」のような気持ちなのである。
風呂場に移動してお湯と塩を足し、そこにTシャツをつける。
ちなみに容器には我が家の取手の壊れた洗濯物用バスケットを使用。このために新しいものを買ってきたのである。
これにより「自分達が居ない間にバスケットを新調してくれた優しい夫」を演出する作戦だ。私にぬかりはない。
そしてこれを20分つけ込み、時間が経ったら水洗いしていく。
バスルームを真っ黒にしていくこの背徳感。子供がいたら絶対に怒られる。あぁ楽しい。仕上がりが楽しみで仕方がない。
ちなみに使用したバスケットはこうなり、絶対もう落ちなくなった。これからやってみようと思っている方はプラスチック製品には気をつけるべし。
何回か水で流し、最後は洗濯機にて水洗いし、陰干し。
日頃は絶対に許されない日中からの酎ハイを飲みながら、乾くのを待つ。ふー!いい休日だこと!
そして出来上がりがこちらである。
ビフォア
アフター
フロントは思ってたよりムラが出てしまった。写真でも分かるが完全に均一とは言い難い。熱そうで触りたくなかったので、適当に泡立て器で突いていたのがよくなかったか。でもムラのある染まり方がかえって雰囲気あるかもしれない。
ブラックに染めたことにより気になっていたフロントロゴが全く目立たなくなり、古着っぽくていい感じ。
ちなみに裏側はこんな感じ。
思ったよりブラックが強い。
「暗闇に浮かぶアナキン」という、スターウォーズというより、グリーンマイル的な仕上がりにはなってしまった。
でも、グラフィックがある感じがギリギリわかる感じがいい。雰囲気あるな、これ。
もう一個もこんな感じ。
ちなみにステッチは染まらず、それもまたいい感じだ。
個人的に思った以上の仕上がりにテンションが上がる私。
でも、完成品を見ながら、これを着たら妻はまた小言をいうんだろうなぁと思った。きっと「若い人が着るような服着るのやめてよ」とかいうのだ。
うるせぇ、黙っとけよ。好きな服着て何が悪いんだっつーの。
妻子が居ないうちに明日はこれを着て出掛けることにする。
さぁ、明日はどこに行こうか。
私の自由はまだ続くのだ。
(追記)
これ染めたあと色落ちしまくって他の衣類に色移りして迷惑かけまくってます。
なのでお勧めしません。どうぞよしなに。