教職者K

教育について考えるブログ。

教師にできるchat GPTの使い方④

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さて今回紹介したいのはテストづくりの上でのchat GPTの使い方です。

 

テストづくりというのは教員にとって負担が大きいんですね。難易度を考えたり、授業との整合性を取ったりと、考えないといけない事が多い。そんなテストづくりの上でもchat GPTは役に立ちます。

 

まず問題づくりの上でのchat GPTなんですが、これをやるためには何をchat GPTが苦手としているのかまず知っておく必要があるでしょう。

 

chat GPTは計算が苦手なのです。文字ベースで考えるように出来ているので、数学の問題づくりなんかはミスが出やすいです。複雑な証明問題なんかはもちろんできないので、数学の先生は残念ながらあまり当てにしない方が良いでしょう。

 

またリアルタイムな出来事やローカルなネタもダメです。私は社会のテストで生徒に世の中の出来事に関心を持ってもらうために数問だけ時事問題を出しているのですが、chat GPTにつくらせた時事問題は全然ダメで使い物になりませんでした。

 

chat GPTは2021年9月までのデータで構成されているので、最近の話は理解出来ないんですね。またローカルなネタも理解しません。「おすすめのお店教えて」みたいな検索的な使い方は出来ないんですよね。

 

なので、数学、リアルタイム、ローカルに関わる問題を作るのは諦めた方がいいでしょう。

 

一方で英語が強いのもchat GPTの特徴です。元々英語圏で生まれているので、元になってるデータが日本語より桁違いに多いんですね。英語の先生なんかは上手く使えば例文作りがとても楽になると思います。

 

「中学校で英語の教員をしています。中学一年生に向けてcanを使った会話文を10個作ってください」とかいえば一瞬で作ってくれます。例文そのものを作る事は難しくないですが、沢山作る場面ではAIの方が圧倒的に早いですからね。

 

また答えさせて解答を作る事も可能です。ちなみに読み込ませたプロンプト(chat GPTへのオーダー)は他の質問者への解答として使われる事があるので、テスト問題全部ではなく、一部を読み込ませて試すくらいが良いでしょう。

 

ちなみにテスト問題を読み込ませた結果、chat GPTが作った回答が私が想定していたものと違う事がありました。

 

よくよく見ると、こちらの問題文の書き方が良くなかったことに気づきました。日本語の問題で二重の読み取りが出来てしまうパターンです。こんな風に解答づくりだけでなく、問題作りのミスの発見にも使えます。テストをやらせてみたら生徒から質問が飛んで当日になってアタフタするなんて事はよくありますからね。そういう事態の防止にもなる訳です。

 

また問題づくりのアイディア出しにも使えます。私の勤務校は勉強熱心な子が多いのでテスト対策をバッチリやって来ます。

 

塾もその辺を心得ているので、毎年私のテストを回収して過去問として生徒にやらせるんですよ。毎回同じ単元からのテストですから、やはり自分の頭だけで作るには限界があるんですよね。

 

そこをchat GPTで補ってもらう。範囲を指定してこちらの要望を伝えて沢山問題文を考えてもらう。いつものパターンとちょっと違う角度からのアイディアを貰えます。勿論そのままは使えませんが、自分で考えるより遥かにたくさんのアイディアを出す事ができます。

 

ちなみに解答作らせているうちに「AIが答えられられるものを子どもに暗記させて答えさせる意味って何?」ってことを深く考えさせられました。

 

その単語を暗記してもAIが正確に答えられるなら、あまり問題として価値がない、実社会では使えない能力と言えるでしょう。chat GPTを使ったテストづくりは、そんな風に教育をより高度な視点から考えるきっかけにもなります。

 

実際に名門私立中学の入試問題をみていると最新の時事と絡めた子ども達を聞かれた事がない状況におく問題が非常に多いんですよね。

 

先ほど説明したようにchat GPTはリアルタイムなものに弱いですから、そういう意味でも社会科ではリアルタイムであり、かつローカルなものを扱うのが子ども達がAIに仕事を取られないためにも必要なことかもしれないと思いました。(その辺りも数年後には改善されているかもしれませんが)

 

また数学にしてもそうで現状で数学ができない子は危ういと思いました。文系の仕事は今後どんどん生成系AIに取って代わられるでしょうからね。

 

(まぁそれでも今のところははchat GPTの文章面白くはないので、オリジナリティのあるものを書けるレベルの人は大丈夫でしょう)

 

ということで、テストづくりにおけるchat GPTの使い方について書いてみました。

 

負担の大きいテストづくりの一助になるはずなので、良かったら試してみてください。

 

読んでいただき、ありがとうございました!