先日こちらの本を読みまして。
本屋大賞の9位になった作品ですね。なんとなく,タイトルが気になって読んでみました。
こちらは本屋の店員さんをめぐるお話です。
店長のちょっと情けないキャラクターや、面倒な作家さんなど,一癖あるキャラクターの設定が魅力。
更には、この本自体が作中に登場してくる入れ子構造になっていたり,最後には全部伏線を回収したりするなど,非常に今時っぽい話だなと思いました。
私がこの本から考えさせられたのは、
現代における本屋の役割
なんですね。
というのもネットでいくらでも本が買える時代に本屋さんの役割ってなんなんでしょうか。
個人的には視認性,つまりネットっていうのは自分の興味のある本しか調べないですけど,リアル書店は「こっちにもこんな面白い本あるよ」って気付きやすいメリットがあるのかなって。
パラパラっと見れば大体自分に必要かどうかも分かりますしね。
加えてこの本では本屋に勤める皆さんの本への熱い想いが語られています。
つまり,そういった読書好きの人達の目線で本を勧めてもられるのも書店の良さなんだなと思いました。
この本の中ではそんな本屋で働く皆さんの薄給さにもスポットが当たっているわけなんですけど。
やりがいや仕事の意義と給料が見合わないってよくあることなんだなって思うんですよ。
学校で言うと、図書館司書もそうで。
ほとんどが非常勤で時給で働いています。でも本来子ども達に本を勧めたり,利用を促したりすごく大事な仕事ですよね。
最近思うんですけど,意義とか責任が給料に比例するわけじゃないと思うんですよ。
この本は、そんな大事なんだけど軽視されがちな本屋という仕事にスポットを当てたいっていう優しさから来てるのかなと思いました。
辛辣なタイトルですが、そんな想いがこめられているんじゃないでしょうか。
ちなみに海外に行っている時に、途上国に何カ国も行っている人からお話うかがったんですけど,経済成長する国の特徴の一つが,
「本屋に若者がたくさんいること」
なんだそうで。
本屋を見れば、その国が成長できるかどうかが分かると。そんな一つの指標にもなっている場所なわけです。
そんなこの時代における本屋さんの意義を考えさせられる一冊となっております。
ということで,ゴールデンウィークが始まりましたが、やることないという皆様は読書でもいかがでしょうか。
皆様の読書の参考になれば幸いです。
本日も読んでいただき,ありがとうございました!