どうも大仏です。
大仏先生@ほぼ毎日ブログを書く教師。 (@sunostrism) on Twitter
さて今回はこちらの本を読みましたので概要と感想を書いていこうかなと思います。
筆者は児童精神科医をされており,多くの非行少年とその症例を見てきた方ですね。学校現場にも通じるところがあると思ったので読んでみました。
結論から書くんですが,この本で書いていることは一言で言うならば,
「非行に走るような子はそもそも認知の仕方が歪んでいる。うまく認知できていない」
ということだと思いました。
これどういうことかというと,本の表紙にあるケーキを三分割に出来ないという図が有名なんですが、私がそれ以上に納得したのはこちらの図です。
上の図がモデルで下の図がそれを同じように写すように言われて非行少年が描いたものです。
全く書けていないんですよ。
つまり,そもそも認知ができていないわけです。
だから相手の表情とか,感情とかも勿論うまく読み取ることができないわけで。それであるが故にトラブルに走ってしまうということでした。
これ私、
めちゃくちゃ納得しました。
というのもだいたいクラスに一人か二人は黒板の内容を書き写せない子いるんですよね。
これはやる気がないって多くの先生が言ってしまったりするんですが,
これは上の例に従っていうなら,
書き写せない
が正解だと思います。
漢字とかアルファベットとか一時間の授業の中で書かれる文字はこういう子たちにとってはかなり複雑ですから,認知ができないわけです。
また私は自信をつけてもらうために一度答えを暗記してもらってからテストをしたりするんですけど,
数人はさっきまで答えを見ていたにもかかわらず1問程度しか解けません。本人はいたって真剣にやっているにも関わらず、です。
つまりそもそものワーキングメモリーが他の生徒と比べて少ないんですね。
当然わからないまま授業が展開されていってしまうから置いていかれて疎外感を感じるようになる。
これまで衝動的に暴力に走ってしまう生徒の対応をしたこともあるのですが,「認知ができない」という意味では全く同じような経験があります。
相手に暴力を振るってしまったことに対して指導しても本人は
「いや、あいつが睨んだから」
「俺はこう思った」
「だから俺は悪くない」
なんてこちらがいくら言っても入らない。
私の言い方にも問題があるんでしょうが,それ以上にそもそも正しく認識する能力が著しく弱いんだろうと推測されます。
そして問題だなぁと思ったのですが,これからAIとかが当たり前の世の中になっていくので,世の中から単純労働がなくなっていきます。
その時にこういう読み取ることが苦手な生徒は
どんどん社会から阻害されてしまうんじゃないか
と不安を感じました。(世の中から人間がやるのは読み取りが必要な仕事だけになるからです。)
さらにこの本の先生も、
そもそもの認知に問題があるのに、その認知をトレーニングすることを全くやっていない
ということを書いてらっしゃるんですね。
全くそのとおりで、黒板の字が認識できない子にいくら江戸幕府について説明しても理解が難しいわけです。にもかかわらず,学校ではそもそもの認知の仕方については教えてくれないわけです。
そこでこの本の先生がオススメしているのが「コグトレ」なるものです。
CD付 コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング
- 作者: 宮口幸治
- 出版社/メーカー: 三輪書店
- 発売日: 2015/03/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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1日5分! 教室で使えるコグトレ 困っている子どもを支援する認知トレーニング122
- 作者: 宮口幸治
- 出版社/メーカー: 東洋館出版社
- 発売日: 2016/11/02
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この本に載っているトレーニングが認知そのものを高めていく上で有意義であると説明していました。
ということでこちらの話題の本について概要と私の私見を述べさせていただきました。
皆様の参考になれば幸いです。
本日も読んでくださりありがとうございました!
追伸
コグトレの本購入しました。2200円…高いけどまぁこれも自己投資ですね。また試してみたらレビュー書きまーす!