教職者K

30代教員の日々の徒然。

大事な試合前に緊張しないための6つの方法。

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さて,学生にとって大事なスポーツのシーズンの到来である。

 

これまでの練習の成果を発揮したいところだが,最大の敵はやはり,

 

緊張

 

 

にあるように思う。

 

私自身,過去の経験だと優勝を狙いにいった試合の一回戦でいきなり負けたことがある。

 

実力も練習量もこちらの方が上だったが,明らかに選手たちが緊張していたのである。向こうは一点取るごとに選手もギャラリーも大盛り上がりで,こちらはその勢いに押されてどんどん小さくなり,フルセットの末負けたのだった。

 

その大会はリーグ戦だったため最終的にはなんとか逆転優勝することができたのだが,私は大会を通じて改めて初戦の怖さを感じたのだった。

 

しかし,逆に言えばこちらが実力で負けていても緊張をコントロールすることが出来れば勝てる確率が上がるわけである。

 

このようにいかに緊張に対処するかというのはスポーツをする上で非常に大切な要素であると言える。

 

そこで今回は私が考える,スポーツをする上での緊張をコントロールする方法を書いていきたい。

 

①いつもと同じようにやる。

 

イチローの打席に入る前の一連の動作もそうだが,人間とは同じ動きをすると,「いつもと同じ状況だ」と脳が思い,落ち着けるようである。

 

なので私は基本的には練習も変えず,変にパフォーマンスをすることもなくいつも通り試合に入らせるようにしている。

 

たまに大会の時だけ大声を張り上げたりしているチームもある。上の話からいくとダメそうだが,動物というのは声を出すと落ち着くようにできているからそれも有効かもしれない。

 

ただし,これまでやったことが無いような練習やパフォーマンスをいきなりぶち込むことには反対である。

 

(ちなみにサーブ練習の時などもいつもと同じルーティンで打てているかを見るようにし,いつも通りにパフォーマンスができるように声がけをしている。)

 

 

②遠くを見る。


緊張したときは視野が小さくなりがちである。そこで私は会場に入ったら緊張したときに見る場所を事前に決めておくように選手に伝えている。

 

そしてこういう時に使えるのが横断幕だと思っている。横断幕は自チームのものなのでいつでも変わることがなく,かつ必ず選手からした時に遠い位置にあるので視野を広くするのにうってつけなのだ。

 

そういう意味で横断幕にもちゃんと意味はあるんじゃないかと思っている。

 

③事前に全て決めておく。

 人の集中力には限界がある。そしてそれは筋肉と同じように使うほど疲労してすり減っていくものである。

 

ではどういう時に人の集中力は減っていってしまうのか。

 

心理学の観点から見た時にそれは,

 

「選択する時」

 

なのだという。

 

「どのタイミングでご飯食べるか?」

「トイレはどこか?」

「この試合のユニフォームは何色でいくか?」

 

そういう小さいことを1つ1つ選択しているうちに頭の中にある集中力がどんどんすり減って行ってしまい,パフォーマンスが上がらなくなる。

 

そこで私は最初から事細かに試合の日の動きについて指示を出すようにしている。事前に決まっていれば迷うことがなく,集中力をすり減らさないですむからだ。

 

事前に会場で練習できればなお良い。事前にトイレやアップできる場所がわかっていれば,選手が小さな事で選択しなくて済むからだ。

 

事前に決めておいて,試合の間に時間が空いた時には車でクーラーをつけて走り回ってもらい,選手を休めたこともある。

 

あらかじめ決めておくことで夏場の暑さにも慌てずに対応することができるのである。

 

④呼吸に気をつける。

これはよく言うことだろう。緊張しているときは呼吸が浅くなりがちなので,呼吸を意識させる。

 

「8秒で吸って8秒で吐く」

「強気を吸い込む。弱気が逃げていく」

 

そんなイメージでやるように説明している。

これも事前に深呼吸の大切さを説明しておくと,選手同士で自発的に意識できる。

 

これまでの経験だとタイムアウト中に選手がお互いに声をかけあって深呼吸をしていることもあった。

 

自分たちで冷静にこういうことが出来るときというのはやはりいいプレイがでるものなのである。

 

⑤緊張は特権ととらえる。

 緊張するのは選手たちがその試合にかけているからであり,一生懸命勝ちたいと思っている証拠である。

 

人生の中でそんなに緊張することってこれから先そう何度もあるだろうか。

 

このように緊張できるというのは,必死にとりくもうとしている人間にのみ与えられる特権なのである。

 

だから,それを楽しむようにしたらいい。

 

「どきどきしてきた」ではなく「わくわくしてきた」ととらえる。

「この緊張は自分の人生の財産」

「勝っても負けても貴重な体験になる。」

 

そう考えただけでも少し前向きになれるはずである。

 

 

⑥不安は書き出しておく。

これは私自身の経験なのだが,試合前には「明日自分の調子が最悪だったら」という想像を色々としてから眠るようにしていたのである。

 

そうやっていろんな想定をしておくと,いざ本番そうなった時にも慌てないのである。

 

これについては選手に「頭の中でやれ」と言っても本当にやるかどうか微妙なので今年からワークシートに書かせてみようかと思っている。


・試合前日はどう過ごす?
・アップをしている時にどんなことを心掛ける?
・チーム全体の雰囲気が悪い時にはどう対処する?

・苦しい場面で自分にサーブが回ってきた。どう自分の気持ちを落ち着ける?
・リードしている時は,どんなことを大切にする?
・自分のプレーの調子が上がらない。そんな時はどう乗り切る?
・もしレセプション・ディグで自分が狙われる展開になったらどう対処する?

 

こんな質問に全部回答して事前にあらゆる予測をしてもらおうと思っているのである。一度考えておけば本番そういう展開になっても慌てずにすむだろう。

 

まぁ,これについては今年初の取り組みなのでどうなるかはわからない。

 

しかし,今回書いた文をみて,少しでも皆様の参考になれば幸いである。日本中の学生たちが自分のベストを尽くせることを祈っている。