この前の本(ギブアンドテイク」を読んで考えたことの続きなんですけど。
ギバーになるには,やはりボランティアが有効で,かつボランティアをやる上で大切なことが,本の中にはこんな一文で書かれているんですね。
(以下「give and take」からの引用です。)
『100時間というのは,「与える」うえでのマジックナンバーのようだ。
60代半ばのオーストラリア人男性2000人を調査した結果,
年間100〜800時間ボランティア活動をしている人は,
年間100時間未満,もしくは800時間以上ボランティア活動をしている人よりも,幸福度と人生への満足度が高かった。
ところが,ボランティア活動も100時間を超えると,まったく意味をもたらさなかった。
これが,ボランティア活動の100時間ルールなのだ。
このラインを限度に設定しておけば ,大きなパワーが得られ,疲労感がもっとも少ないのである。』
と書いてあるわけです。つまり,ボランティア活動は年間100時間がベストだと科学的にはっきりと証明されているわけですね。
だったらこれをそのまま部活動の年間練習時間の上限にしたらいいんじゃないかなって思ったわけです。部活なんてほとんどボランティアみたいなもんですから。
今文科省で出している部活動のガイドラインは以下のようなものです。
『 週当たり2日以上の休養日を設ける。』
『土日のどちらかは休むこと』
『1日の活動時間は、平日では2時間程度、学校の休日は3時間程度』。
これを単純に計算するとですね。
平日2時間×4日=8時間
休日3時間×1日=3時間
1週あたり約11時間。
1ヶ月あたり,約44時間。
つまり,年間,528時間 。
なんですね。ガイドライン通りにやったとしても本来やらなくてもいいボランティアの時間が528時間もある。これでは教員から不満が出るのも当然でしょう。
ボランティアし過ぎ
なんですよ。
さらに「ギブアンドテイク」の中ではですね,
「与える時はまとめて与えた方が効果的」
とも書いているわけです。つまり,これらのことを部活動に当てはめるとですね,
「部活動は新人戦前と中総体前の1ヶ月,毎日2時間程度の練習を行う」
っていうのが,教員側からした時にもっとも満足度の高い練習時間なんだと思うんですよ。
ただ,もちろんこれだと問題があってですね。
競技力がガタ落ちします。
一つの物事を習得するのにかかる時間が1万時間て言われていますから,どうしたって百時間じゃ形にならないでしょうね。
だからですね,部活やりたい教員については,放課後にスポーツ指導で起業することを認めたらいいと思うんですよ。お金が発生しだしたらもうボランティアじゃないですから。
公教育として保証するのは年間百時間まで。そこから先さらにやりたい,もっと練習したい子はお金を払って教えてもらう。これが健全な姿なんじゃないかと思うわけです。
こうすれば力のある指導者には人とお金が集まってくるわけですし,力のある子が指導者に恵まれないなんてことも無くなります。
顧客(子ども)の獲得競争が生まれることでサービスも向上しますから,体罰や過剰な練習なんかもなくなるでしょう。
ってことで,本を読んでそんなことを考えてみたんですがいかがでしょうか。
なんにせよ,早い段階で部活動の問題には国として新しい方針を探すべきだと思いますけどね。
追伸
ちなみに私はバレー大好きですが,ガイドライン通りに休んでいます。少なからず本読んでブログ書くくらいのゆとりを確保しておきたいものです。今日も読んでくださりありがとうございました!