最近私がツイッターでその動向を追っている1人が幻冬社の箕輪厚介氏なのである。
幻冬社のカリスマ編集者として知られる箕輪氏は見城徹,堀江貴文といった著名人を口説き落として本を出版し,次々とヒット作を生み出している。
(先日このブログに出した「実験思考」もまた彼の編集である。)
さらに編集だけでなく,自らの自伝的著書「死ぬこと以外かすり傷」が売れに売れまくっているという。
私もこの本を読んで思ったのだが,やはり成功するには失敗など考えずにとにかく行動することが大切なのだなぁと思った。
「死ぬこと以外はかすり傷なのだから,とにかく色々自分も行動しよう」
「多少のことは全部かすり傷」
そんな勇気をこの本からもらったわけであるーーーーーー。
先日0歳の娘が寝返りを打った際にベッドから落ちてしまったのである。
妻は慌てふためき,急いで病院へ。
何も異常はなく,少したんこぶのようなものができただけだったので,私たち夫婦は胸をなでおろしたのであった。
しかし,これを受けてそのままではいられないのがうちの真面目な妻なのである。
「ベッドを捨てたい」
とその日のうちに申し出てきた。
私は渋った。なぜならベッドが買ってからまだ半年しか経っていないからである。そんなベッドをもう捨てたいというのである。
しかし,娘の安全を考えればそれくらいのことは屁でもない。私は粗大ゴミセンターにすぐ連絡した。言うまでもなく,これはかすり傷なのである。
コンビニで粗大ゴミのチケットを買って(2400円分。かすり傷),回収日の前日にベッドを外に運び出す。
すぐ終わると思っていたのだが、これがなかなか大変で終わらない。解体して外に運び出すのに結局夜中の10時近くまでかかってしまった。
「なんで平日にこんな大変なことするんだ」
「多少お金払ってでもリサイクル業者に持って行ってもらえばよかったのに」
「無駄。時間の無駄。」
一生懸命にベッドを解体し,汗をかきながら外に運ぶ私に妻からそんな言葉が飛ぶ。
もちろんこれも、かすり傷である。
結局アパートの入り口の共有スペースに大きなベッドを二つ置いた状態で私は仕事に向かったのである。
しかし,学校で仕事を始めた私に妻から電話がかかってきた。
「ねぇ,ベッド持っていてもらえなかったんだけど」
なんということか,妻の説明によると,ベッドがスプリング入りだと申し込みの手順が違うと言うのだ。私はスプリングなしの手順でベッドを出してしまっていたらしい。
そのためベッドは回収されず,アパートの前にベッドが二つ置きっ放しのままにされてしまった。さらに運の悪いことに次の回収日は二週間後だというではないか。
「こんな状態で二週間も外に置いておけるか」
「一度外に野ざらしにしたものを室内に入れることは絶対に許さない」
「何が何でも今日中になんとかしろ」
とパワハラ上司のように妻は私に電話越しにプレッシャーをかけてきたのである。もちろん……もちろんこれも……かすり傷である。
私は昼休みに慌ててリサイクル業者を検索し,電話したところ,運良くすぐに来てくれる業者を見つけることができた。料金を聞いてみる。
「ベッド2つで14000円です」
…かすり傷である。1ヶ月休日の部活手当が消えることになるが,これもかすり傷なのである。
私は二つ返事で承諾し,ベッドの回収がすぐに来ることを電話で妻に伝えた。
多少のお金はかかったが,なんとか目的通りベッドは処分し,他の住人にも迷惑をかけることはなかった。
これで妻に怒られることはないだろう…そう思って帰宅したのである。
しかし,帰ってみると妻は怒っていた。
「消費税込みで15120円だったんだけど」
「せっかくちょっきり用意してたのに無駄になった」
「いい加減段取りが悪すぎる。あなたがちゃんと最初からやっていればこんなことにはならなかった」
とブチギレているのである。
もちろんこれも…
かすり傷である。
かすり傷ではあるのだが,あまりにその傷の数が多すぎて,私もだんだん花山薫みたいになってきてしまうのである。
(グラップラー刃牙参照)
最初の段階で貼った粗大ゴミチケットは無造作に入り口に貼られていた。
2400円。部活手当1日分が一瞬で無駄になったが,これもまた,かすり傷である。
ということで,最近はベッドがないので,床にすのこを敷いてその上に布団を敷いて寝ている。
以前に比べると少し寝心地が悪くなったような気がするが,これももちろん,かすり傷なのである。