百田尚樹さんの「カエルの楽園2020」を読みましたので感想書いてみたいと思います。
この土日の限定公開みたいですので、気になる方居ましたら早めにどうぞ。
https://ncode.syosetu.com/n4198gf/
全く読んだことのない方のために説明しておくと、こちらは日本を「カエルの国」に例えた寓話。
ナパージュというカエルの国の隣にはウシガエルがいます。
ナパージュはスチームボートという大鷲に守られており,三戒という決まりを大切にして生活していますが、最終的にはウシガエルに侵略されてしまうっていうお話です。
それぞれ
ナパージュ→japanを逆から読んだ=日本
ウシガエル→大きい図体=中国
スチームボート→日本を守ワシ=アメリカ
三戒→憲法9条
という比喩になっているわけですね。
前作は9条の改憲の必要性を訴えたものでしたが,「カエルの国2020」ではウシガエルから未知の病が持ち込まれます。
ウシガエル達はナパージュにとって大切な「ハエ」を持ってきてくれる存在であるので、国の方向性を決める元老達はなかなかそれを止めようとしません。
言うまでもなく、本作はコロナウィルスに対する政府の失策を表現しており,ハエは「現金」を意味します。
他にも新キャラが出てきます。
例えば「イエストール」というカエルは「若いオスガエルのチンチンを整える技をもっている」「メスガエルの顔を美しく整える技を持っている」とされています。
言うまでもなく,高須先生のことを書いているわけですね。
他にも元老達の黒幕としてツーステップ(二階幹事長)を諸悪の根元のように書いてみたり,
コロナが発生した頃,世の中はチェリー広場でのお祭り(桜を見る会)に夢中だっただろともう言いたい放題です。
私が本を読んで思ったのは,この百田尚樹さんと言う作家はけして安倍総理応援団ではないということ。
前作では9条改憲という点で現政権支持の考えを示していましたが,今作品では政府はリスクを取ってまで外交を止める勇気が無かったとバッサリ。
更に最後には
「もはや病気にかかるのを覚悟して前みたいに生きていくしかない」
としています。
私自身、改めて色々と思いましたね。
まず去年の交通事故の発生件数は38万1002件。死亡者は3215人です。
それに対して今現在のコロナウィルスの感染者は15639人。死亡者は608人。(5月9日現在)
車の方が明らかに人が事故に会う確率は高いですが,車を止めようと言う議論にはなりません。それよりも利用することによる恩恵の方が大きいわけですね。
今の自粛を続けるのは無理がありますから,最終的には「かかるかも知んないけど、前みたいに暮らそう」に世の中が落ち着かざるを得ないと思いますね。そうなるのも時間の問題かなと。
なので,私はもうかかっても仕方ないなって思えるんですけど。でも,ちょっと矛盾するんですけど,自分の娘がかかるのはちょっと受け入れられないんですよ。
こういう考えのご家庭は日本中にあるでしょうから,学校をどう再開させていくのかっていうのはものすごく難しい。
少なからず「怖いから行かせたくない」っていう家庭のためにも学びの補償をしていく必要があるでしょうね。
ということで,寓話を通じて色々と考えさせられる作品になっております。寓話であるがゆえに読みやすいし,考えやすいところもあります。
無料で読めますので,気になる方はお早めに是非どうぞ!
本日も読んでいただき,ありがとうございました!
追伸
この「言いにくいことを寓話にする」って言う手法は色々と使えるかもしれません。教員の労働環境とかも寓話にしたらもっと改善されてくかもしれませんね笑