教職者K

30代教員の日々の徒然。

良い授業をやるたった一つの方法。

最近この本を読みましてね。

伝える力 (PHPビジネス新書)

伝える力 (PHPビジネス新書)

  • 作者:池上 彰
  • 発売日: 2007/04/19
  • メディア: 新書
 

めちゃくちゃ面白かったのでオススメです。

 

池上彰さんが文章を書いたり、話したり、聞いたりする時に意識していることが載っています。池上さんと同じように人に説明する教員にも通ずるところあると思いましたね。

 

今回は、本の中で特に印象に残った一文を紹介します。

 

あるとき、知り合いのアナウンサーが放送でニュース原稿を読んでいるのを何気なく聞いていると、ある一箇所で突然、その内容が頭に入らなくなったのです。

 

放送が終わった後で、その人に聞いてみました。

 

「今の放送で意味が分からないまま読んだところなかった?」

 

と。

 

思った通りでした。原稿を読んでいる時、突然フッと集中が途切れ、その部分の原稿の意味が取れなくなったそうです。

 

意味がわからないまま読んだり話したりすると、それを聞いている相手も意味が分からない。そのことを、私はこのとき初めて知りました。

 

これ読んでいてハッとしましたね。

 

正直言いますが私自身、授業やってて

 

よく分からないまま説明してる時あるんですよ。

 

何というか子ども達は当たり前の単語が分かりませんから、例えばコロナウィルスで世の中が不況なら「お金を印刷すればいい」と思ってる。

 

「でもそれじゃインフレでしょ」

 

と説明してもインフレが分からない。

 

お金を沢山印刷するとお金の価値が下がってね…とこちらもどんどん感覚的になっていったりしてしまうんですけど、そういう時の子ども達はやっぱりよく分からなそうな顔してるんですよね。

 

他にも授業やっていて「これ面白くないな」って思いながら授業やってる時やっぱり子ども達も面白くない顔してるんですよ。

 

特に道徳で

 

「これはいい教材だなぁ」

 

とこちらが思いながらやってる時は子ども達もそういう顔で、しみじみしながら話を聞いているんです。

 

 

だから良い授業をしようと思ったら、

 

教員側が題材の面白さと深みを理解していない限り、絶対に深い学び合いは成立しない

 

ということなんだと思うんですよね。

 

どれだけ教師側がその題材を好きか。

 

それが大事だと思うんですよ。

 

(例えばピカソの魅力を理解していない人が他の人にその魅力を説明するのは多分不可能ですよね?)

 

これ合唱コンクールでもそうかもなって思っていて。

 

今年転勤されてしまったのですが、私毎年勝てない先生が居たんですよ。もうその先生にだけずっと勝てないんです。

 

どこに差があるのかずっと疑問だったんですけど、終わってからその先生に話を聞くと、すごくその合唱曲を愛してるんですね。

 

もう帰りの車の中でも一年中合唱のCD聴いてて。

 

「この子達には絶対これが合う!」

 

「あの子達の歌声でこの曲を聴きたい!」

 

って思って曲を選んで来るわけです。ちょっとこちらがひいてしまうぐらい曲に惚れ込んでるんですよね。

 

指導する側が惚れ込んでその良さを深いところまで理解しているから、子ども達の歌も完成度が高いんだなって思いました。

 

なので、

 

そんな曲への惚れ込み方、教員側の曲への理解の違いが差なのかな

 

と思った次第です。

 

なのでまとめになりますが、我々はいい教育活動をしたかったら、

 

とにかく下調べしてその教材の面白さ、深みがどんなものなのか教師自身がわかるまで調べること

 

が大事かなと思っております。

 

今年も一年間、一つでもそんな授業を作り上げたいものですね。

 

1日も早くそんな日常が戻ってくることを心から祈っております。