うちのボスが「今年はハロウィンやるから」って言い出したんですよね。
つまりこれは、
仮装して登校OK
という日なんです。
日頃校則に拘束されてる生徒達が自由に仮装していい、というなかなか思い切った企画ですね。
そして困ったことにこれをやる以上、
教員もコスプレを求められる
訳ですよ。
皆さん、コスプレって得意ですか?
私あれが
大の苦手
なんですよ。
そもそもあの出オチの感じが苦手というか。
(というかあれ、何が面白いんですかね?)
いわゆる陽キャみたいな人はいいと思うんですけど、私は生粋の陰キャですから。
そういうテンション高いことが苦手なんですよね。出来るならやりたくないんですよ。
だからどうしようか困って妻(陽キャ)に相談したんですけど。
そうしたら、
「スティーブ・ジョブズが良いんじゃない?」
なんて言う訳ですよ。
なるほどなと。
私そもそも坊主に近いですし、メガネも丸い。
手にiPhoneとかもっとけばいけそうだし、あんまり自分を変えなくて済む。
よし、じゃあスティーブ・ジョブズになろうと思った私はこの1週間、マスクの下に髭を伸ばしてたんですよね。
更にはYouTubeでRGを見てネタの研究をして。
そこまでやったんですけど、前日になったらやっぱり不安になってきましてね。
「そもそも今の子らスティーブ・ジョブズしらんだろ…」
「マスクしてるから髭も分からんし…」
「滑るなコレ…」
結局慣れてないからどんどん弱気になってしまいましてね。
最終的に「スティーブ・ジョブズは辞めとくか…」と断念してしまった訳です。
(この意気地なし!)
そんな私の頭に浮かんだのが、『マネジメント』で有名なピータードラッカーの言葉です。
「強みの上に築きなさい」
ドラッカーはビジネスの上では自分の強みを生かすことが大切だと言っている訳です。
私は考えました。
自分の強みは何だろうと…。
そして風呂に入りながら思いついてしまったのです。
「こっこれだ!」
と。
そう思った私は職員室でTシャツ姿に右手にビニール袋を巻き、テープで固定。
更には左手に洗顔料を持ち、教室に向かいました。
そう、私のコスプレは、
「骨折したけど風呂に入りたい人」
です。
「今現在骨折している」
「手にギプスをはめている」
これこそが今の私の最大の強みであると判断した訳です。
さて、子ども達の反応はどうか。
これが
びっくりするぐらいすべった
んですよね。
まぁ自分でも覚悟はしてましたけどね。
子ども達は結構振り切っていて、
やれ「鬼滅の刃」だの、
やれ「ディズニー」だの「ハリーポッター」だのやってる中で私は、
「骨折してるけど風呂入りたい人」
ですから。
生徒からも
「え、地味…」
「まさかそれで終わりですか…?」
(はい、そうです。)
なんて言われましてね。更には
「もうちょっとタオル持つとか、風呂桶足すとか」
「うーん、洗顔料のサイズもう少し大きくても良かったですね」
なんて、みんなからダメ出し食らいましてね。
改めて、
ハロウィンなんてクソ喰らえだな
って思いましたよね。
私みたいな人が日本中にいるんじゃないでしょうか。
先にすべっときましたんで、安心してやってください。
それでは皆さん、ハッピーハロウィン。
読んでいただき、ありがとうございました。