志村けんさんが亡くなった。
日本中が悲しんでいると思うが、私も同様に悲しみを感じた一人である。
命の重さは皆同じだと思うが、それでも過去芸能人が亡くなったというニュースの中で一番悲しかった。
会ったこともない人の存在にここまで悲しみを覚えるのは初めてである。涙が出た。
ドリフ世代でない私にとって志村けんさんのイメージと言ったら「バカ殿」だった。
スペシャルがやるたびに楽しみにしていたし、放送後は学校でもその話題でもちきりだったのを覚えている。「志村けん」は我々の共通言語だったわけである。
今日の新聞は各社が一斉にそのことを報じているが、その芸の裏側にあった努力が透けて見えた。
「アイーン!」「だいじょうぶだぁ」など愛嬌に富む声で発するギャグが浸透した一方「マンネリ」との声も。だがそれを志村さんは褒め言葉として受け取っていた。
「ちょっとでも間がズレたら受けない。同じものを何度見ても分かっていても笑っちゃう。それが芸です」(読売新聞より)
あの芸の裏にそんな誇りと技術があったのだなと思った。
両目を寄せたリアクションはアメリカの喜劇俳優ジョー・ルイスから。
またバカ殿のキャラクターも戦前の映画の小笠原章二郎や東八郎が演じたものを自分なりに研究して作り上げていたようだ。
そのバカバカしいキャラクターの裏側には徹底した研究があったようである。そのストイックさが本当にカッコいい。
喜劇であるがゆえに裏側にある生み出す苦しみを見せない。
子どもの頃ただただ笑っていた存在がこんなにも偉大だったのかとこの歳になって分かる。
この死亡者の「+1」という数字が志村さんなのだと思うと、とても寂しい気持ちになる。
— ゾウにまたがりバッタをとる。 (@sunostrism) 2020年3月30日
これまで亡くなった方々にもそれぞれの人生のストーリーがあったはず。
毎日出る数字からどれだけ人の顔を思い浮かべられるか。
それが、今後感染を拡大させないためにも大事だと改めて思う。冥福を祈ります。 pic.twitter.com/YLcznZVm2Z
Twitterにはこんな風に書いた。
本当に苦しくて重苦しくてしんどい毎日である。
でも、志村さんはそんな状況でも道化に徹して世の中に笑いを与えてきたのではないか。
我々が受け継ぎたいのはその精神である。
皆さん、頑張りましょうね。
だいじょうぶだぁ!