帰省中に夏祭りに行ったんですけど、
そこに
たまたま大学の某名誉教授がいましてね。(←なんでいんだ)
偶然祖父の知り合いだったこともあってお話しさせて頂いたんですが、その話が面白かったのでまとめておきます。(ちなみに専門は水道です。)
ます水道には二種類あると。
・アメリカ式(急速濾過)
と
・イギリス式(緩速濾過)
です。
アメリカ式は急速に水をろ過するやり方で、集めた水に大量の薬剤を投下して、一気に飲める状態にまでもっていきます。
もともとの水質に影響されにくかったり、流速が大きいというメリットがあるようなのですが、
半面で薬剤を大量に投下する分、
水道管の劣化が激しくなり、それらの管理コストや薬剤のコストも含めた値段が水道代として設定される
ので
水道料金がかなり高くなってしまう
そうです。
そして、日本の水道は戦後ほとんどこの、
アメリカ式で設置された
とのことなんですね。
対するイギリス式は、
そういった薬剤の力を使わず、微生物の力で濾過していきます。
さらに、アメリカ式と違って小規模な浄水施設で行うやり方であり、東日本大震災の後もこちらのイギリス式についてはほとんど損害がなかったと。(アメリカ式は損害がかなり出た)
つまりこの教授は、
日本の水道施設をイギリス式にすれば日本の水道料金は今の半額で出来るし、さらに災害の多い日本により適した水道システムを確立できる
と主張しているわけです。
私からは、
「緩速濾過(イギリス式)の場合、水質に問題はないんですか?」
と聞いたのですが、
「そもそも国が出してる水質の基準が当てにならない」
「だって湧き水(無濾過)に誰も文句言わないでしょ?」
「そんなにその基準が大事なら一年に一回の水質検査で足りるはずがない。
何か水質に問題起こっていても消費者はすでに飲んでいるのが現実だし,
異常が出た時には正常値になるまで計り直しているのが現実。
それでも大きな問題にならないのは国が出している水質の基準そのものが当てにならないから」
とのことでした。
ちなみに日本はミネラルウォーターを加熱処理しないと売ってはいけないそうですが、
海外では加熱処理したものはもう天然水としては販売してはならないんだそうな。
(つまり、それぐらい日本の水質に関する規定が世界とは違うということ)
「んじゃあなんでそれだけメリットのあるイギリス式を日本は取り入れないのか?」
ということなんですが、
それはアメリカ式であることで利益のある団体が猛烈に反対するから
とのことなんです。
つまり水道管の改修や,薬剤を販売している業者からの反発が強いため,消費者にとってはメリットが大きいものの,国もイギリス式の導入をしようとしないとのこと。
さらに小学校の教科書でもアメリカ式による濾過の方法は紹介するけど,イギリス式の濾過方法については掲載の許可を出さないとのことでした。
なのでこの教授は日本の水道を抜本的に変えるのは難しいから,
今は海外に視野を向けて途上国の水道の整備に力を注いでいる
とのことでした。
(今はフィジーの水道施設がこの先生の考えに従って水道施設が完成しつつあるとのことです)
私はこの話を聞いて色々思ったんですけどね。
例えば
「途上国ならまだしも大量に水を使用し,かつ水質について神経質であろう先進国に緩速濾過のやり方
がフィットしてるのかな?」
とかね。
でもそれ以上に,
日頃飲んでる水について自分は何も知らないんだな。
って思ったことが一番大きかったですね。
それこそ「水道代高いな」とまでは思うけどそれ以上考えることはなかったというか。濾過一つとっても色々あんだなぁと。
改めて身の回りを疑うとても良い機会になりましたね。
なのでこんな貴重なお話を聞かせていただいて,ホント
夏祭りのコスパってハンパないな
って改めて思いましたよね。
私の夏の備忘録の一つとして書いておきます。
追伸
話を夢中で聞いてたら夏祭りのチケット使い切れずに帰ってきましたからね。
水飲んで寝よ。おやすみなさい。