教職者K

教育について考えるブログ。

【レビュー】成瀬は天下を取りにいく

最近読んだこちらの本の紹介です。

 

本屋大賞とったこちらの本。

 

タイトルも良いですし、表紙もどことなく期待させます。気にはなってたんですけど、改めて本屋大賞取ったという事なので読んでみました。

 

あらすじとしては女子高生の成瀬が色んな事に挑戦していく話。

 

真っ直ぐな成瀬は自分が興味をもったことに真っ直ぐです。友達を誘ってM1に出てみたり、百人一首の大会に出てみたりする。

 

「髪は本当に1ヶ月に1センチ伸びるのか」を実証するためにいきなり坊主にしてみたりする。

 

そんなあらゆる角度から物事に挑戦し、話題になって天下を取ろうとする主人公の日常を描くストーリーです。

 

読んでみて思ったのが、とにかく成瀬のキャラクターが真っ直ぐで憧れすら抱いてしまうという事。

 

この本が売れているのはそんな成瀬の真っ直ぐなキャラクターにみんなが憧れを抱くからでしょう。

 

みんな言いたい事を言えなくて、やりたい事をやれなくて我慢しながら生きているところあると思います。

 

しかし、成瀬はまるで我慢しない。やりたいことは全部やる。そしてうまくいかなくても次のことを次々と探す。

 

成瀬がそんなにも色んなチャレンジができるのはきっと彼女が「人のことを全く気にしていないから」でしょう。

 

どうしたって生きていれば他人の目を気にしてしまいます。

 

「うまく行かなかったら恥ずかしい」

 

「自分がこんな事言ったらおかしいと思われる」

 

そんな事を考えて動きが小さくなってしまってるのが普通の人なんだと思います。

 

次々と新しいことに挑戦していく成瀬の姿は、そんな人目を気にしすぎる現代社会に対して真っ向から立ち向かっていく格好良さがあるんですよね。

 

そんな姿がとてもカッコいいなって思いました。

 

また私が頭でイメージする成瀬の姿と表紙で描かれている成瀬のイメージがピッタリで、これ本書いた人だけでなくてイラスト描いた人も素晴らしいなって思いましたね。

 

とにかく高校生くらいの時って背負うものがないから色んな事に挑戦できるし、この年になるとそんな風に体当たりでぶつかっていける成瀬が羨ましいなとすら思いました。

 

自分も何かにぶつかっても良いから挑戦してみたいなって思わされる一冊です。

 

よろしければぜひ読んでみてください。

 

読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

最近読んだ本4冊。

最近読んだ本についてまとめておきます。

まずこちら。社会科教員なんで、池上彰さんの本はできるだけ読むようにしてるんですよね。

 

子どもにも分かりやすい言葉で書かれていますし、最新の世界情勢が分かるので授業にも反映しやすい。

 

本書はそんな池上さんが書かれた想像力についての本。

 

縦の想像力(過去を見て未来を想像する)と横の想像力(自分の同年代の他の地域や国のことを想像する力)の重要性が書かれています。

 

被災地に送って来られる支援品にはゴミ同然のものもあるといいますが、これは「横の想像力が足らない」と批判しているわけです。

 

AIが台頭してきている現代においては想像力が人間に勝てる唯一の部分であり、これがない人間はもはや生き残れないでしょう。

 

想像力の大切さを知り、どうやって子ども達の想像力を育てていくべきなのかを考えさせられました。

 

そしてこちら。

 

ミステリー界の中でもやたらと評価の高い一冊。ストーリーとしてはミステリー研究している大学生が孤島に入って一人ずつ殺されていくというもの。

 

最後の最後にどんでん返しがあるという事で楽しみにして読みました。

 

確かに一行でこれまでの展開をひっくり返すあたりはすごい構成。ただ個人的にはあんまりキャラクターにも共感できなかったし、とにかく推理好きを自称してる大学生達がなんとなく鼻につきましたね。

 

まぁミステリー好きの人はとりあえず一度は見てみても良いかもです。

 

次にこちら。私自身めちゃくちゃメモするんですよ。

 

最近加齢もあるせいか、とにかく言葉が出てこない。ワードが思い出せない事が増えた。

 

だからもうメモにしてしまって記憶はメモに頼る事にしてるんですよね。

 

この本ではその中でも特に「ブロックメモ」を推奨しています。

 

付箋ではなく、糊付けできないブロックメモ。本書では付箋では書いて貼り付けて満足してしまうというのです。ブロックメモなら書いてからそれをどう利用するか考えると。

 

とりあえず私も実践してみようかなと思って、職場と車の中と、家のリビングにブロックメモを置いてみました。

 

気づいた事があったらさっと書いておく。そしてそれを手に取りながらこのアイディアをどう使うか考えてみる。

 

まだ効果は分かりませんが、スマホよりも考えながらメモできるし、大切な瞬間を逃さないことは増えた気がします。

 

最近は車でオーディブル聞いて、気になったらブロックメモに書いておくって事がちょこちょこあります。

こちらはオススメ。世界中の偉人達の親がどんな声を子ども達にかけ、子育てをしてきたのかを書いた本。

 

共通しているのは、偉人達はみんな手が掛かること。(エジソンなんて興味で家燃やしてますからね)

 

ようは人と違うから天才なんですよ。だから子育てする上では大変な子が多い。

 

でも偉人達はそんな子ども達を受け止めて愛している。そこが共通してるなって思いました。

 

日本でも有名な数学者である森毅は中学校のときから学校をサボり始めますが、父親は

 

「休んでも良いが、休んだ日は学校へ行くよりも充実した一日を過ごしなさい」

 

というわけですね。

 

その言葉をうけて森毅は、休んだ日は昆虫採集をしたり、夜遅くまで勉強したり充実する為の努力をする訳です。

 

親としてそんな前向きになる言葉をいかにかけられるかだなと思いましたね。

 

あと勉強になったのは、「子どもが質問してきたらどうするか?」という部分。

 

仕事柄質問される事が多くて、「答えられなかったら恥ずかしいな」とか「ネットで調べてから答えるか」と思ってしまうこともあるんですけど。

 

本書の中では、

 

「子どもが質問してきた時は感動した時。だから答えを与えるよりも、まずはその感動に共感してあげましょう」

 

って書いてあってこれが勉強になりました。

 

「何で空は青いの?(空って青くて綺麗だな)」

「どうして鳥は飛べるの?(人間は飛べないのにすごいな)」

 

答えを与えるのではなくて、その感動にまず共感してあげること。

 

「すごいね、よく気づいたね」

「これは言われてみると不思議だなぁ。良いところに目をつけてるね。ちょっと一緒に調べてみようか」

 

こうやって共感してもらえた子は好奇心を伸ばして、次々と不思議な事を見つけるでしょう。

 

だから大切なのは受容と共感なんだなって思いましたね。

 

ということで最近読んだ本についてまとめてみました。

 

皆さんの参考になれば幸いです。

 

読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 




学歴厨という病。

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うちの学校の子供たちの偏差値重視という考え方には、とても強固なものがあるんですね。

 

とにかく偏差値で人を判断する傾向があり、偏差値が高ければ話を聞く価値がある人だとみなされ、逆に低い偏差値の人は軽視されることが多い。

 

中には全国の高校の偏差値ランキングを暗記してる子までいて。みんなから学歴厨なんて言われてるわけです。

 

そして、子供たちがなぜそういう思考になっているかと言えば、親がそういう価値観を持っているからです。

 

ある教員が保護者から言われた衝撃的な一言がありました。

 

最初の面談で自己紹介をした後に、保護者はその教員に対して

 

「先生はどこの大学を出てるんですか?」

 

と初対面で聞いたそうです。

 

このエピソードは非常に強烈で、その保護者がその教員を学歴で査定していたことを示しています。

 

この教師はうちの子を任せる価値があるのか。その保護者は、親自身が無意識に教師の価値を学歴で判断しているわけです。

 

そのような学歴に執着する保護者のもとで育った子供たちは、学歴や学力に非常に重きを置く傾向があります。

 

確かに進学校を出ることで就職先の選択肢が広がるという事実はあるでしょう。

 

しかし、そのような考え方には弊害もあります。

 

子ども達は自分の学歴に価値を見出すことで、本来の自己そのものを肯定できなくなってしまう可能性があります。

 

さらに、学歴を重視する保護者は、子供に異常なほど勉強をさせ、厳しい環境に追い込むこともあります。

 

実際に教育虐待と取れるほど、過剰な勉強を子どもに課せている親は少なくありません。テストの結果で子どもが親から多大なプレッシャーを与えられているのです。本校でテストの度に不登校の生徒が増えていくのは当然の結果だと言えます。

 

また学力に特化した子育てによって、スポーツや、コミュニケーションなどの場面では非常に弱い子どもになっています。

 

なぜうちの生徒達が学習が得意なのかといえば、それは学習に時間をかけているからに過ぎません。

 

いわばイメージするなら

 

◾️

◾️

◾️

◾️

◾️

◾️

◾️

◾️

◾️

◾️

◾️

 

こんな感じでひたすら勉強というブロックを積んで育ってきているイメージです。【◾️=勉強】

 

一方で普通の学校の子は勉強もしますが、ゲームしたり、家の手伝いしたり、公園で遊んだりしてるわけです。【◯=ゲーム、✖️=家の手伝い、▲=公園の遊び】

 

イメージするならこういう積み方です。

 

     ◯     ▲

◾️◯     ▲

◾️◯✖️▲

 

 

入試というのは学力の早積み競争【◾️をどちらが高く積めるか】ですから、この2つの図を横に並べたときに、学力が高く、競争に勝つのは前者のような時間の使い方をしている子なのは間違い無いでしょう。

 

しかし、この積み方というのは、そこでない能力が求められたときに非常にもろいという側面もあるのです。

 

私がその事を実感したのは京都に行った時です。

 

京都の妙心寺には東大出身の住職さんがいらっしゃいます。

 

とても話の面白い方なのですが、その方は修行を始めた際にはあまりにできない事が多くて、先輩の修行僧から「お前は飯もたけないのか!」「火もつけられないなんて!」とよく怒られたそうです。

 

このエピソードを聞いた時に、私は上の図を思い浮かべたのです。東大を出るような人は圧倒的に学習にかける時間が多いので、家事をしてきていないのです。こういう場面では家の手伝いに時間を割いてきたこの方が強いのは当然でしょう。

 

(ちなみにその住職さんは今は高い学力を活かした面白い話で、たくさんの参拝者を獲得し、さらにラジオパーソナリティーなんかもやってらっしゃいます。なので学力が高いのに越した事はないんですよね)

 

また、こういう学力にばかり特化した育て方は将来的に見た時に非常に脆い気がします。友人関係が築けなかったり、恋愛ができなかったりする。

 

それによって心のバランスを崩して、精神を病んでしまったりしたら、せっかく高めてきた学力を発揮する場面がなくなってしまう。積み上げたブロックがガラガラと崩れていく。

 

人生は長いゲームですから、学校を出た後も学力を高めていけるような土台のしっかりした、多様な体験をする育て方をするべきだと思います。このブロックを安定して積み上げられるような育て方ですね。

 

何にせよ、学力を高めようという姿勢は良い事だと思いますが、行きすぎていてかえって生きづらくなっている子や親が最近とても多い気がします。

 

自分が知らず知らずのうちにそんな学歴偏重の考えによって子供を不幸にしていないか。

 

時折それを振り返ってみてほしいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

キャンプと私。

自慢じゃないがインドアな人間なのである。

 

私は学生の頃からバレーボールという室内競技を選択し、暇さえあれば読書していたような根暗なのである。

 

「色白いね」とこれまで何度言われたことか。そりゃそうだ、外で遊ぶことをしてこなかったのだから。私は紫外線とは縁の遠い生活を送ってきたのである。(スリランカにいた頃をのぞく)

 

思い起こせばバーベキューすら自分でした事がない。

 

実家でバーベキューをする際はアウトドア好きの2人の弟と父親に任せて、何も求められる事なく、これまでのうのうと人の焼いた肉を食い、ビールを飲んで生きてきたのである。

 

しかし、いざ自分が家庭を持つとそうも言っていられないから困っている。

 

妻は昨年から子どもに自然体験をさせたいと私にキャンプを提案。

 

さらにタープまで買ってきた。

 

「あとよろしくね」という。

 

彼女は私のアウトドア能力の低さを知らないのである。というか、男というものはみんなこういう事が得意だと思っている節すらある。

 

私は不安を抱えつつ、まぁなんとかなるだろうと楽観視し、タープと食材を抱えてデイキャンプ場へ出掛けたわけである。

 

早速タープ張りに取り掛かるのだが、これがよくわからない。

 

そもそもそのキャンプ場にはご丁寧にも各グループに木のテーブルとベンチが用意されており、その上にタープが来るようにしたいのだが、どう設置していいのかが分からない。

 

タープに付属の説明書の一番最初に書いてある

 

「タープを地面に広げます」

 

ができない。

 

だってベンチとテーブルがあるから。何これ、邪魔なんですけど。要らないんですけど。まず最初にベンチとテーブルをキャンプファイヤーにしてやろうかと思った。

 

とりあえずテーブルに被せるようにタープを置いてみる。

 

そしてポールを娘(5歳)にもっててもらう。これでポールに紐を引っ掛け…あれ?ペグが抜けちゃう?

 

ペグの方向を少し変えて…あれ?これどう張るの?というか紐細すぎじゃない?

 

ん?っていうかポール曲ってない?

 

ん、自立してる?これで?

 

耳を澄ませたら「もたもた」という擬音が私から漏れて聞こえていたんじゃないかと思う。

 

悪戦苦闘するもまるでポールが立たず。

 

そのうち子どもからも

 

「ねぇ、パパまだなの?」

 

「もう遊びたいんだけど」

 

アスレチックを前にしてもう我慢できない娘。焦る私。変な汗まで出てきた。

 

そうこうしている間に周辺のお父さんキャンパーたちは次々と立派なタープをビシッと張り、焚き火を始め、一杯飲み始めている…。あぁいうキャンプがしてみたかった…。

 

周りとの差にどんどん惨めになる私。

 

畜生…バレーなら俺の方が上手いのに…。

 

畜生…授業なら俺の方が上手いのに…。

 

畜生…多分俺の方が本読んでるのに…。

 

俺はタープ一つ張れないのか…。

 

そんなことをひたすら考えたわけである。

 

なんとか一本ポールが立つも、もう一本を立てている間に紐がまた抜ける…。

 

「もういい。タープ要らない」

 

30分ほど格闘したあと妻が怒り気味にそう私に宣告してきたのである。試合終了である。

 

私としてもこれ以上粘っても出来る気がせず、少しホッとする。(←情けない)

 

そして娘と多少アスレチックで遊び、食事の準備へ。

 

他の家庭がガンガン薪で火を燃やす中、我が家は妻が煙臭くなるのを極端に嫌がるため、

 

カセットコンロ

 

による調理なのである。(室内用)

 

みんながブロックの風除けみたいなとこで薪を燃やす中、我が家はそこにカセットコンロをおいて調理をする。うーん、ロマンが…。

 

一応妻に言ってみた。

 

私「せっかく来たんだしさ、焚き火とかしてみたいよねー。ほら薪とかも売ってるし…」

 

 

妻「タープも張れない奴が100年早いわ!」

 

私「……」

 

言い返す言葉がない。ごもっともである。多分私が火を起こしたら子どもを危険な目に遭わせる可能性もある。妻の判断は賢明だ。でも火とか燃やしてみたいじゃない?だって男の子だもの…。

 

かくして私のファーストキャンプは苦い思い出と共に終わったのである。

 

しかし、そんなキャンプでも子どもは楽しかったらしく、数週間後にすぐ2回目のキャンプに行く事になった。

 

私も流石に前回の二の舞はしない、と心に決め、YouTubeにてタープの張り方を何度も見た。

 

さらに前回付属のロープの細さに頼りなさを感じたのでAmazonにてそれっぽいのを購入。

今度こそ、という決意を持って2回目に臨んだわけである。

 

タープを広げ、事前に動画を見ていた通りの角度にペグを打つ。この時斜めに入れれば抜けにくい。よし、予習通りだ。

 

一本目のポールが立ち、2本目も…これが安定しないのである。なんせこの日は強風である。

 

ポールの間でタープがバサバサ揺れる。風を受けるとこんなにも強い力が掛かるのか。ポールがグラグラ揺れてなかなか安定しない。そのうちにまたロープが抜けてしまう。

 

そうこうしているうちにポールを支えさせていた娘(5歳)が言う。

 

「ねぇパパまだ?」

 

「もう遊びたいんだけど?」

 

繰り返される記憶。

 

「歴史は繰り返さないが韻を踏む」と言ったのはアメリカの作家マーク・トウェインだったか。この状況、前回と場所が違うだけで完全に韻を踏んでいる…。

 

そうこうする間にもタープは風を受けてバサバサと揺れつづける。風を受けてポールもグラグラと安定しない……。

 

 

やばいこのままでは……。

 

またしても言われてしまう…。

 

「もういい。タープ要らない」

 

やはり出た、、妻からのタープ不要宣言。繰り返された歴史。

 

頑張ってYouTube見てきたのに、ロープまで買ったのに…。結局強風のためガスコンロによる調理もままならず、2回目のキャンプは散々な結果になったのである。

 

かくしてキャンプは強烈な失敗体験を私に与えた。何が自然体験でストレス発散じゃ!かえってストレス溜まるわ!と1人ごちたのだった。

 

かくして、今日3月31日。

 

新年度前、最後の休日だが、妻と子が実家に行っていることもあり、部活もなく、久しぶりに1人の時間を過ごす事が出来たのである。

 

私はこの貴重な休日をどう過ごすか、心に決めていたのである。

 

「もう一度タープに挑戦しよう」と

 

とてもじゃないが子どもがいると落ち着いて作業ができないと思ったのだ。まずは自分1人で練習を積みたい。

 

またしてもYouTubeで動画を見て、イメージトレーニングをしてからタープに挑む。

 

最初にポールの長さとロープを同じくらいにしておくのがポイントで…

 

ペグの位置を目印がわりにして…

 

取り掛かること30分ほど…。

 

出来た。

 

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私がいかに嬉しかったか。

 

やれば出来るのだ私も。嬉しくて何度も写真を撮ってしまった。

 

まだまだ上手い人に比べれば張りが甘いし、時間もかかっているが、それでもイメージ通りの場所に、それも1人で立てる事ができた。

 

本当は焚き火もしたかったのだが、いざ色々見てみると、焚き火をするには必要な物品が多いのである。

 

私みたいな賃貸暮らしでスペースのない暮らしをしている人間としてはあまり物を増やしたくもない。

 

だから今回もガスコンロを持参。

 

フライパンをおいて、昨日の夜に仕込んできた焼き鳥を適当に並べる。

 

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味付けは適当に。

 

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完成。

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何これ超美味いんですけど。ここ最近食べた中で一番美味いかも。っていうか外で食べるだけで美味いんですよね。

 

結局1人で全て食べ切る。

 

更に家にあったバウルーを用意。

 

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ここにパンとチーズとウィンナーを適当に挟んで。

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焼く。

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何これ超美味いんですけど。

 

本当はもう一品作ろうと思ってたんですけど、もうこの時点でお腹いっぱい。

 

でもいいのだ、タープ張れたから。

 

前よりも少しだけ前に進めたから。

 

他のキャンパーからしたら当たり前かもしれないが、私からしたら大きな一歩だ。

 

常々思うのだが、物事をつまらなくする要因は「人と比べること」なのだなと思う。

 

人と比べるからガスコンロを使っていることが恥ずかしいし、タープを張れない事が恥ずかしいと思うのだ。

 

あくまで他者ではなく、自分が何を出来るようになったのかを見つめれば、こんな事でもとても楽しい。

 

次は違う張り方が出来ないかなと思い、今ネットで新しいペグとポールを注文しているところだ。

 

自分のペースで少しずつ出来ることを増やしていければ、それで良いのではないかと今は思っている。きっと趣味でも仕事でもそれは同じだろう。

 

さて、年度内最後の休日はそんな良い一日になった。

 

明日から4月だ。来年度も頑張ろう。

 

 

 

ロングゲームにどう勝つか。

 

最近この本を読んでいたので、紹介したいと思います。

 

この本はロングゲーム、つまり長期的な視点で目標を考えたり、目標を達成するためにはどのようなことが必要なのか、という事が書かれた本です。

 

私は今中堅教諭という立場で働いていますが、ここから先の人生をどう生きていくか、その目標設定の参考にしたくて読みました。

 

自分の幸せを定義する

まずこれ。そもそもどこにゴールを設定するのか見えていないと目標は達成できません。

 

そしてそのゴールは自分の価値基準によって定めるべきだとしている訳です。

 

Twitterにもこう書いたんですけど。

 

https://x.com/enipzwhccq3j3fd/status/1773258079515123770?s=46

 

家庭の時間を増やしたいのか、影響力を増やしたいのか。自分のスポーツを広めたいのか。

 

人によって幸せの形って違うんだと思うんですけど、自分はどういう状態が幸せなのかを定義しておかないと様々な場面で選択を迷ってしまうんですよね。

 

なのでどういう状態を目指したいのかをまず最初に定義する事、ロングゲームのゴールの設定が重要だと学びました。

 

目標達成のためには断る事が必要

この本を読んで非常に勉強になったことの二つ目が自分の時間を目標設定や目標達成のために確保することの重要性です。

 

自分の時間を作るためには、様々なことを断る必要があることが説明されていました。

 

キャリアが浅い時期は、積極的に誘いを受けて経験を積み上げていく必要がありますが、ある程度経験を積んだら、誘いを断って自分の時間を確保しなければならないということが書いてあるわけです。

 

コロナが収束した今年、送別会の時期には多くの飲み会の出席を確認されましたが、全てに出席すれば当たり前ですが、自分の時間がなくなり、経済的にも精神的にも家庭にも悪影響が出ることは間違いありません。

 

なので私はこの3月は本当に大きな送別会に1回だけ参加し、それ以外の誘いは全て断りました。二次会も行きません。

 

その時間に本を読んだり文を書いたり、家族と過ごしたりしたい。他の人と同じように過ごしていたら自分の目標は達成できないと思うのです。

 

自分の目標達成のために時間を確保することの重要性がより明確になりましたね。

20%ルール

また、20%ルールという考え方も学びました。

 

自分の時間の20%を自分の必要なことや専門外のことに当てることが大切だという考え方です。余裕があることで新しい挑戦をすることができるので、新しい創造が生まれる。

 

現にGoogleではイノベーションを生むためにも働いている最中に20%は関係ないことをやる事が業務として認められているのだとか。

 

余裕をもつことの重要性を理解しました。

 

一方で日本て勤務中に違うことしてたらすぐクレーム飛んでくるじゃないですか。

 

こういうゆとりとか寛容のなさが日本の経済の縮小化に繋がってるような気がしてならないですね。

戦略的レバレッジ

また、戦略的レバレッジという考え方も勉強になりました。

 

これは1つの行動で2つ以上の成果が得られるようにする方法を考えることで、同じことをしているにも関わらずより多くの成果を得ることができる方法を考えるというものです。

 

最近、私自身もずっとブログだけを書いており、Twitterなどはやっていませんでしたけど、また始めてるのはこれ読んだのもきっかけになってます。

 

単純にTwitterでも流したらその分読む人増えますからね。

終わりに

このように、何か達成したい目標がある方や、現在の人生にモヤモヤ感を抱えている方には、この本をお勧めします。

 

人生は長いゲームですから、最後の最後で自分が納得できるような選択を常に心がけたいものです。

 

興味がある方はぜひ読んでみてください。

 

本日も読んでいただき、ありがとうございました。

またX(Twitter)をやろうかなって。

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春休みで少しゆとりができたからでしょうか。

 

なんか新しい事やってみようかなって気になりましてね。

 

色々考えたんですけど、またTwitterやろうかなって思いました。

 

というのも、時間が無さすぎて文章としてブログにまとめて書く時間がなかなか取れないんですよ。

 

また短文でもアウトプットすることを自分に義務付ける事で、インプットを強制的に促すことにもつながるんじゃないかなと思いました。

 

https://x.com/enipzwhccq3j3fd/status/1773315744014475391?s=46

 

ということで、こんなアカウント始めてます。

 

以前にもTwitter運用してたんですけど、なんだかフォロワーが増えるにつれて色んな意見が入ってきて嫌になってしまったんですよ。

 

Twitterの情報ってネガティヴなものが多いから、こっちのモチベーションまで下げられちゃって。仕事へのやる気無くなっちゃうから見るのやめたんですよね。フォロワー増えていくと一つ呟けば色んなこと返ってきますからね。なんだか働き方改革の流れもあってやる気ある事そのものが悪みたいな空気さえあるんですよ。そこに合わせることで、自分にできる範囲を狭めてしまうのが嫌だなって。

 

だから心機一転して新しいアカウントでちょこちょこ書いてみたいなと思いました。

 

 

なので、今回はもう他者のツイートは見ない方向でいるんですよ。

 

誰もフォローしないし、フォロワー増やそうとも思わない。

 

あくまで自分自身のツイート数を積み重ねることだけを目標に運用していこうかなと思っているわけです。

 

Twitter上の人との繋がりとか多分ほとんど役に立たないと思うんですよね。実際に会う訳じゃないし、仕事できる人なら今の職場にいくらでもいますからね。訳のわからん他者に意見求めるより顔の見える身近な同僚に相談した方がいい。

 

ちなみにそんな感じでちょこちょこ呟き始めた結果なんですけど、今

 

フォロー0 人

 

フォロワー3人

 

(しかも3人ともエロいアカウント)

 

という悲惨な状況になってますね。

 

まぁでも「今日も何かしらツイートしないとな」て思いながら過ごす日常はなかなか逃せないというか、人の発言とか自分の心の動きにとても注目するので有意義ではあると思っています。

 

とりあえず思いついたことをメモがわりにバンバン書いていこうかなって思います。

 

このブログ定期的に読んでくださってる皆さんにはそっちも追って頂けたらと思います。

 

是非4人目のフォロワーになっていただいて。

 

エロいアカウントじゃない読者が少しでもついてくれたら嬉しいですね。

 

どうぞご贔屓に。

 

読んでいただき、ありがとうございました。

キロクのチカラ。

職場のストレスが半端じゃないんですよ。

 

なんていうか社会的に成功してきた人が多いからか、子どもも保護者も教員も

 

自分中心に世界が回らないと気が済まない人が多い

 

んですよね。(お前もなって言われそうですね。はい、すいません)

 

そんな中で合意をとって物事を進めないといけないのは中々のストレスなのです。実際うちの職場でも心を病む人が出ています。

 

さらに問題への対応にしてもすぐ裁判の話とか出てきますから、記録をどうとっていくのかというのはとても大事なんですよね。

 

学校における記録って公的なものと私的なものがあると思うんですけど。

 

今回は私的なものについて書いてみたいと思います。

手書きで書く。

最近この本読んでるんですけど、やっぱり手書きの方が学習効率が高いみたいなんですね。

キーボードで打つとどうしても思考のスピードが追いつかない。

 

手書きだと書いているうちに疑問や新しいアイディアが出てくる。

 

だから私も私的なものについては手書きにこだわって記録を書いています。

 

1ページ書く。

前にも書いたモレスキンのノートに毎日1ページ思いついたことをざーっと書くことを日課にしてるんですけど。

 

これが結構メンタルの安定に役立ってる気がするんですよね。

 

書いているうちにやらないといけないことを思いついたり。

 

ずっと書いてると悪いことばっかりじゃないと思えるのはとても有意義だと思います。

 

必ずいい見方とか、良かったことがあるんですよね。

 

ネガティブな時はマイナスな事ばかり浮かんで来ますが、1ページ埋めるとなると考えてるうちにポジティブなことも浮かんでくる。

 

職場のストレスとかはとりあえず全部書き出すようにしています。

 

子どもの変化を書く。

そして、これを来年度は頑張ろうと思ってるんですけど。

 

所見で毎年子どもへの文章を書くんですけど、よく出来ている所見というのは、「子どもの変化を書けてるもの」だと思うんです。

 

「明るくて元気です」とか書かれてもそんなことは保護者も知ってますよね。

 

それよりは、「授業を通してこんなことができるようになった」とか「こう考え方が変わった」と書かれる方が子どもの成長が保護者もわかるし、何より先生よく見てるなって感じするじゃないですか。

 

だから変化を書くことが大事だと思うんですけど、子供って常に変化してるから意識してないと忘れちゃうんですよね。

 

だから、書き留める。

 

気づいた瞬間にノートに書く。

 

この蓄積が大事だと思うんですよ。特に大きい生徒指導につながる案件ほど必ず予兆がありますからね。

 

小さいうちに気づいて対処することが後々に大変なことにならないためにもとても大切だと思うわけです。

 

 

今年は特にノートを二分割して書いていこうと思っています。

 

 

左側に気づいた生徒の変化を書く。そして右にはそれをどう活かすか書いていきます。

 

◯朝掃除してる子がいた→認める声がけをして、担任にも伝えよう。

◯挨拶が素晴らしい子がいた→集会で伝えようかな。

◯ちょっと表情が暗い子がいる→昼休みに面談or周りの子に聞いてみるか。

 

 

みたいな感じですね。

 

後々の所見づくりの参考になるでしょうし、左が埋まってると右も埋めたくなるでしょうから生徒の変化をより逃しにくくなると思います。

 

何にせよ、こういう細かい記録みたいなものが今の不適切なものが許されない社会でミスしないためにもすごく大切な気がするので書いておきます。

 

皆様の参考になれば幸いです。

 

読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

芸が身を助けてくれるから。

生徒たちから、卒業する前の授業で『自分の教科じゃない教科の授業をやって欲しい』というリクエストをされましてね。

 

例えば、理科の先生が数学を教えたり、国語の先生が英語を教えたりする。自分の教科でないものに先生達がどうアプローチするのか見てみたいという希望でした。(よく思いつきますよねー)

 

私はこの発想が面白いと思いましたが、やっぱり用意する側としては慌てますよね。

 

色々考えましたが、ねずっちの謎かけの本を読んでいたので、それを国語のトーキングメソッドという形で取り入れて実施することにしました。

 

 

前半はクイズ形式で謎かけを出題し、生徒たちにグループで解いてもらいました。

 

例えば、「秘密とかけて漫画家ととく。その心は?」という問題を出したり。(答えは『隠し事』(書く仕事)

 

「誘拐とかけてものが飛び交う夫婦喧嘩ととく。その心は?」とか。(さらわれる(皿われる))

 

 

問題解きながら謎かけの作り方を説明した上で、後半はクラスや学校をテーマに生徒たち自身がオリジナルの謎かけを考える時間を設けました。

 

そして最後に、謎かけの要素を用いて振り返りを書く課題を出しました。

 

こういう流れがあったので私は卒業式の挨拶でも謎かけを交えてスピーチしてたんですよね。

 

「君たちは私にとってビールのような存在でした。

 

 

 

 

会わない(泡ない)と寂しいです」

 

みたいな感じで。

 

こういう流れがあったので、卒業式後の最後の学活では、一人ずつスピーチをやったんですけど、みんな謎かけで喋ってくる。意図せず謎かけ大会のようになってしまいました。

 

「このクラスは方言きつい人が市場へ行くようなもんだと思ってます。史上最高(市場さ行こう)。」

 

皆が謎かけを出し合い、楽しい時間を過ごしました。涙とはならず、思ってたのとは違いましたけどまぁいいかって笑

 

結局盛り上がっちゃって。

 

1時までに帰さないといけないのに、うちのクラスだけ終わらない。

 

「早くかえせ」と他の先生から怒られてしまう惨事(3時)になってしまいました。

 

帰りが遅くなってしまいましたが、それでも皆が楽しんでいたことが嬉しかったです。

 

私の意を汲んでスピーチ考えてきた彼らに賛辞(3時)を送りたいですね。

 

とりあえず、謎かけみたいな関係ないことも読んどくと使えるなと。

 

暇な時間を有効に使うことは、将来の対応力にも繋がると感じました。

 

だからこそ、この時期には専門の本だけでなく、自分の興味や関心を深めることも大切だと思っています。

 

さて次はどんな本を読みましょうかね。

 

皆さんの参考になれば幸いです。

 

読んでいただき、ありがとうございました。

この時期に最大限注力してやるべき事。

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さて来年度の校務分掌も発表されましてね。

 

次年度に向けてバタバタと準備が進んでいる訳なんですが。

 

私がこの時期にやるべきこととしてお勧めしたいのがですね、プライベートの予定から埋めるって事なんですよ。

 

最近は毎晩奥さんと喧嘩しながら今年いつどこに旅行行くのか考えてますね。(←喧嘩すんな)

 

なぜこの時期にもう決める必要があるのか、そこを論じたいと思います。

 

決めないと予定はすぐに埋まってしまう。

まずこれ。

 

やる事なんて無限にありますから、意識して埋めておかないと、他のしょうもないことにすぐに埋められてしまいます。特に旅行みたいなコストも時間もかかる事は、最初に決めてしまわないと後から入る余地が無くなります。

 

例えば教員の場合、何も決めていなければ休日でもそこに部活の練習が入ってきたりします。もしかしたらそれ以外でも何かしら対応を求められることになるかもしれない。

 

そこを先に決めてしまう。そこは何がなんでも予定を空ける。

 

これが後からまとまった休みを取ろうと思うと、かなり難しいんですね。予定って早いものがちみたいなところありますから。

 

先に決めてあとは全て断る。その覚悟を決めるためにも最初に決めてしまうことが大切なのです。

 

早いほうが安い。

次にこれ。

 

言うまでもなく飛行機にしてもなんにしても早いほうが安い。

 

同じ行くなら安いに越したことなし。決められる瞬間に決めるのが一番お得ですね。

 

モチベーションになる。

そしてこれも重要で、「楽しいことが待ってる」っていう状態が、働くモチベーションになるんですよ。

 

「これが終われば来月は台湾だ!」とか。

 

「これさえ乗り越えればディズニーが待ってる!」

 

って思うと踏ん張りがききますからね。

 

いざ年度が始まってしまうと忙しすぎて考える暇もなくなりますから。

 

 

(旅行のプラン考えるってかなりエネルギー使いますからね)

 

今のうちに決めて一年を頑張るモチベーションにする事を薦めます。

 

いつまでも行けると思うな。

旅行って結構プラン考えるのが面倒ですから、後回しにしがちなんですよね。

 

「もう少し時間ができてから」

「来年でも良いかな」

 

とか考えがちです。

 

ただ最近、元同僚の先生が若くして亡くなったんですけど、人っていつどうなるか本当に分からないんですよね。

 

それこそ平均年齢が80くらいで100まで生きる人がいる事を考えると、60くらいで人が死ぬのは何も不思議な事ではありません。

 

さらに体が思うように動いて、さらに感性が柔軟な時期となるともっと短いでしょう。

 

更にうちの子は今6歳ですが、子どもが土日も習い事などが本格的に始まっていく事を考えると、一緒に出掛けてくれるのなんて実はあと10年くらいのものかもしれません。

 

だから今こそ動いとかないといけないんじゃないかなって思うんですよ。

 

今の自分の状態が来年も続いてるっていう保障はどこにもないんですよね。

 

人生って思い出作りみたいなところありますから、出来るだけ色々体験してから死にたいじゃないですか。

 

体験は買い物に勝る。

あとお金の使い方の話なんですけど、体験って後悔が少ないんですよね。

 

「沖縄行ったけど、やっぱり北海道にしとけば良かったー!」とはあんまりならないわけで。

 

これがモノだと新製品が出たり、自分の知らない比較対象が出てきたりして、「あっちの方が良かったかもなぁ」と思うことがしょっちゅうあります。

 

体験は比較出来ないから後悔もしにくいわけですよ。

 

だからお金は意識して体験に使うべきなんだなと思いますね。

 

最後に。

ということで、この時期にすべき旅行の計画のススメについて書いてみました。

 

今年は思い切って家族で沖縄に行っちゃおうかな、なんて考えております。そう考えるだけでもワクワクしますね。

 

皆様の参考になれば幸いです。

 

読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

生徒指導の極意(スキルハンター)

今週、かなり大きい生徒指導案件の山を1つ乗り越えることができました。

 

その上で、この前もちょっと紹介したこの「カタリスト」という本に書いてあることがすごく参考になりました。(本当に読んでおいて良かった)

 

 

なので、この本にどんなことが書いてあるのか、また教育の世界ではどう使えるのか、ということを書いてみたいと思います。

 

 

説得はするな

まず、この本に書いてあることの1つに「説得はしてはいけない」と書いてあるんですね。

 

というのも、人間というのは自分で選びたい生き物だからです。

 

親に「勉強しなさい」と言われた瞬間に勉強する気なくなりますよね。人から言われることがモチベーションを下げてしまうのです。

 

だから、人を動かそうと思う時に説得するっていう形で動かすっていうことがよくないとこの本では書いてあるわけです。

 

選択させろ

じゃあ説得できないならどう人を動かすか、そこをこの本では、「選択肢を示して選ばせろ」と書いている訳です。

 

例えば、不登校の生徒であれば、「水曜日から学校に来る?」「それとも木曜日から来る?」と選択肢を示す。

 

これはどちらも聞いてる事は一緒で、学校に来るって言う結論だけは決まってるわけです。

 

でもその中で、「じゃあ木曜日から来ます」って子どもが選択した場合、これは自分で選んだことであり、自己決定権を持って選択したんだという気持ちを持つことができます。

 

これが「先生から木曜日から来なさい」って言われるのでは、動こうと思う意志の強さが全く違うんですね。

 

なので、そういった意味でも、この説得するのではなく、選択肢を出すってことが非常に重要だと思いました。

 

私はよく家でも子どもに対して、「7時からお風呂?それとも長い針が1になったら?」とかやってますね。

 

相手の話をとにかく聞け。

次に、相手の話を聞いて信頼を育む、これです。

 

これはものすごく重要だと思います。

 

とにかく相手が喋っているときはこちらは聞く。そして話が途切れたら少し質問。新しい質問をしてまた相手に喋ってもらう。

 

とにかく相手に話をさせて、信頼を育むと言うのは非常に重要だと思います。人って信頼してる人間のいう事を聞くものですからね。

 

これを本の中では、「戦略的傾聴」という言葉で書いていました。実際に立てこもり事件の交渉人とかもまず聞くことから始めるそうです。

 

学校の生徒指導の場面で、子供たちや保護者に話をさせるとかなり無茶苦茶なことを言っていたり、過度な要求をされることがあります。

 

そんな聞くに耐えないことでも、「これは解決に向けての戦略的傾聴なんだ」と思うと私はちょっと気が楽になったんですよ。

 

相手がめちゃくちゃ怒っている時でも、うなずいたりだとか、相手の感情に名前をつけて返したりたりする。(「それは辛いですね」「お気持ちよくわかりました」など)

 

そうすると、少しずつ相手の怒りがおさまっていくんですね。

 

なので、まずちゃんと話を聞いて、この人は自分の話を聞いてくれる、信頼できる人間だと思わせる。そのことが非常に重要だと思います。

 

ハードルを下げろ

次に、簡単に試せるようにハードルを下げる、です。

 

世の中には初回無料のものとか、すぐ返品できるものとか、そういうサービスがすごく増えてると思うんですけど、結局それぐらいハードルを下げることによって、まず試してもらい、そこから契約という行動につなげる戦略になってるわけですね。

 

なので学校現場においてもできるだけ簡単に動けるレベルまでハードルを下げてあげるって事は非常に重要かなと思います。

 

不登校の生徒に対しても、すぐに今日1日頑張ろうね、じゃなくて、今日は先生に挨拶だけして帰ろうとか。

 

今日は給食だけ食べて帰ろうとか、とにかくハードルを下げてあげる。

 

そうして、少しずつ少しずつ自分は今日もできた、これぐらいならできるんだって言う感覚を増やしていく。

 

そうやってハードルを下げてあげるってことが、動かすためにも非常に重要だと思います。

 

勉強にしてもそうで一時間やってみようは辛くても10分なら出来るかもしれない。

 

なので、少し動いてみようかなと思えるレベルまでハードルを下げるというのは一つの戦略であると言えます。

 

何もしないリスクを理解させろ。

そして次に、何もしないリスクを理解させるって事が本に書かれていました。

 

例えば海外旅行に行く事を渋っている人間に対して「このまま狭い日本しか知らないまま死んでもいいの?」と聞いてみる。行動を起こさないことがリスクである事を伝えるわけです。

 

今回の私が抱えた生徒指導案件は非常に難しかったんですけども、もしここで動かない場合、相手側はかなり激昂しており、裁判だとかマスコミだとか、そういったものが絡んでくる恐れがあるってことを保護者に伝えました。もうここで方針を変えないと学校が責任を負える範囲から飛び出してしまうと。

 

つまり納得はしてないかもしれないけど、今ここで動いたほうが得だなと感じてもらう作戦だったんですよね。

 

こんな風に何もしないリスクを理解させるってことも人動かすためには重要だと思います。

 

複数の証拠を示せ

そして複数の証拠を示すことも大事です。

 

人はいろんな人から勧められたりとかすると急に興味を持つものなんですね。

 

例えば、友達から「あの映画面白かったよー」って言われて、次の日に違う友人からも「あの映画めちゃくちゃ良いよ」って言われたら気になりますよね。

 

このように複数の人に短期間に同じ事を言われる(=複数の証拠を示す)とそちらに人は動きたくなるようなのです。

 

なので今回の生徒指導の時には、面談の際に私だけじゃなくて担任の先生とか、これまで関わった先生とか、いろんな人に入ってもらったんです。

 

その先生たちがみんなそっちの方向を進めているって事は自分も動いたほうがいいからって言う状況になっていきました。

 

最終的には最初我々の方針に反対していた保護者も話を聞いて、そっちのほうがいいかもしれないとなり、最後は子ども本人もその方向でお願いしますとなったわけです。

 

なので何か説得しなきゃいけない場面とかこちらの方向に変えたいって言う場面では、できるだけたくさんの複数の人間でアプローチして複数の人間で推奨してあげることによって自分から動ける状況になっていくと思います。

 

それがなければ、とてもじゃないけど今回の案件は私一人では動いてもらえなかったと思います。

 

最後に。

そして最後になんですけど、これ今回の生徒指導ですごく学んだことなんですけど。今回のケースは過去に経験がない位難しいものだったんですよ。

 

でも最後には保護者の方から「先生たちを心から信頼しているのでおまかせします。」「この子は担任の先生をこれまでの人生で一番信頼してるんです」って言ってもらえたんですよね。

 

そこからこの生徒指導を成功させる極意みたいなもの見たな思ったんですけど、

 

結局は教員を信頼してるか、誠意のある教師かどうか

 

これが生徒のが難しくなったときにも1番大事です。

 

この人だったら任せても大丈夫って思ってるかどうか。

 

大切な子どもを任せる教員として信用できるか。

 

ここが少しでも曇っていたら、生徒指導はうまくいかないと思います。

 

だから生徒指導ってのは何か起こってからではなくて、日頃の関わり方、日頃十分に生徒と教員の信頼関係がはぐくめているか、これが非常に重要です。

 

信頼関係さえガッチリはぐくめてさえいれば、大抵の問題は大丈夫だと思います。

 

色々書いてみましたが、結局それが生徒指導の極意なんじゃないかなって思いましたので、書いてみました。

 

ちなみに、それでもこの紹介した「カタリスト」という本はオススメです。

 

不登校とかいじめの指導とかにも転用できる部分が非常に多いと思うので、ぜひ読んで見て欲しいなと思います。(時間なければYouTubeの要約動画でも良いかもです)

 

はい、ということで、皆さんの参考になれば幸いです。

 

読んでいただきありがとうございました。